世界の名ボクサー:アレクシス・アルゲリョ⑤「ニカラグアの貴公子」

世界三階級王者。ライト級王座防衛戦&四階級制覇挑戦。ロベルト・エリゾンド戦、アンディ・ガニガン戦、アーロン・プライアー戦(初戦)ほかを紹介します。

アレクシス・アルゲリョ(ニカラグア)
身長178cm:オーソドックス(右構え)

①アレクシス・アルゲリョ 7R KO ロベルト・エリゾンド
(WBC世界ライト級タイトル戦、1981年)
(ダウンシーン)
4R:右ストレートでエリゾンドがダウン
7R:右ストレート、右ボディアッパーで2度、エリゾンドがダウン
(感想:アルゲリョがタイトル防衛。これまで72勝(59KO)4敗の三冠王アルゲリョ(29歳)が二度目の防衛戦。挑戦者エリゾンド(25歳)はテキサス出身。アルツロ・レオン(アルゲリョのWBC世界J・ライト級王座に挑戦して敗北)に勝利するなど22勝(18KO)1敗。ただし、これが初めてのタイトル戦。経験では王者に大きく劣るが、ボクシングは数字で勝負するものではない。ラスベガスでの一戦(TV解説席にシュガー・レイ・レナード)。精力的なエリゾンド。ダッキングしながらジャブ、ワンツー、左フック、ボディ攻め。リズム的に似たようなところもある二人だが、大きな違いが。ショートパンチのエリゾンドに対し、アルゲリョは伸びのある長いパンチ。接近戦で互いにボディ打ち。攻めるエリゾンド、受けて立つアルゲリョ。3R、エリゾンドのコンビネーション(左フックからの右ストレート)がヒット。しかし4R、右ストレートでエリゾンドがダウン。立ったエリゾンドだが、さらに強烈な左フック、ワンツー、右ボディ打ちを食う。それでも前進するエリゾンド。アルゲリョがディフェンスしながらワンツーからの左フック、左カウンターで優勢。7R、左フックからの右ストレートでエリゾンドがダウン。立ったが再開直後の右ボディアッパーで二度目。今度も立ったが、戦意喪失でカウントアウト。アルゲリョが4Rの右ストレートで一気に試合を優勢にした試合。しかしながら、エリゾンドはなかなかタフだった。J・ライト級時代、アルゲリョに攻められた挑戦者は追い込まれて受け身になってしまうことがよくあったが、層の厚いライト級にはタフな選手がそろっているようだ。その後のエリゾンド。再起戦でコーネリアス・ボサ・エドワーズに判定負け。ヒルマー・ケンティ(元WBA世界ライト級王者)らを相手に連勝。エドウィン・ロサリオのWBC世界ライト級王座に挑戦したが、何と1RでKO負け。その後はフランキー・ウォーレン、ビニー・パジェンザに敗れ、王座には縁が無かった。)

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