世界の名ボクサー:ジェームス・バスター・ダグラス②「史上最大級の番狂わせ男」

世界ヘビー級王者。ジェリー・ハルステッド戦、マイク・ウィリアムス戦、オリバー・マッコール戦、マイク・タイソン戦(東京ドームでの大事件)を紹介します。

ジェームス・ダグラス(アメリカ)
身長192cm:オーソドックス(右構え)

①ジェームス・ダグラス 9R TKO ジェリー・ハルステッド
(ヘビー級戦、1988年)
(ダウンシーン)
3R:右アッパー、左ストレートで2度、ハルステッドがダウン
9R:ワンツーで2度、ハルステッドがダウン
(感想:トニー・タッカーとのIBF世界ヘビー級王座決定戦に敗れたダグラス(27歳。これまで24勝(15KO)4敗1分)。再起二連続KO勝利でこのハルステッド戦。44勝(34KO)6敗1分のハルステッド(24歳)はオクラホマの白人。かつてはS・ミドル級だったが、オクラホマ州ヘビー級タイトルを獲得。ただ、試合数は多いが、グレグ・ペイジ、トニー・タッブスといった実力者には負けている。ラスベガス「ヒルトン」での一戦(マーロン・スターリング、フリオ・セサール・チャベスの世界王座防衛戦が行われたドン・キングの興行。この試合の時点では空席が目立っていた)。リングアナは名物男チャック・ハル、レフェリーはカルロス・パディーリャ。ゴング。互いにジャブ、ワンツー。ダグラスのパンチには伸びと鋭さがある。ハルステッドは力を込めたゴツいパンチ。ワンツーからの左フックなど気合いが入っている。しかし、シャープなパンチでダグラス優勢。3R、右アッパー、連打からの左ストレートでハルステッドが二度ダウン。その後もダグラスが強烈なワンツー(6Rほか)。7Rに攻めたハルステッドだが、ディフェンスされてクリンチ。9R、ワンツーでハルステッドがダウン。立ったが、さらに強烈なワンツーで二度目。ダウンと同時にレフェリーストップ。それに不満のハルステッド。何やらダグラスに向かって言ったところ右拳でコヅかれてエキサイト。セコンドらが割って入って治まった。ダグラスがワンツーで勝利。相手のクリンチと粘りで9Rでの決着となったが、パンチ自体は良いものがあった。ハルステッドは勇敢だが攻撃の正確さに欠け、隙があった。力んで打つタイプの選手はディフェンスに甘さがあることが多い。その後のハルステッド。トミー・モリソン、レイ・マーサーにTKO負け。中堅どころでキャリアを終えたが、西島洋介山と日本で対戦するなど最終的に100戦を超える戦績となった。)

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