世界の名ボクサー:トーマス・ヒットマン・ハーンズ②「デトロイトの暗殺者」

80年代のスター。世界5階級制覇王者。世界王者になる前の試合。ハロルド・ウェストン戦、ブルース・カリー戦、センサク・ムアンスリン戦、ジム・リチャーズ戦を紹介します。

トーマス・ハーンズ(アメリカ)
身長185cm:オーソドックス(右構え)

①トーマス・ハーンズ 7R TKO ハロルド・ウェストン
(ウェルター級戦、1979年)
(感想:プロ入り後のハーンズ。これまで全勝。ウェストンはニューヨーク出身の黒人。後に世界ミドル級王者になるビト・アンツォフェルモ(イタリア)にTKO勝ちしたことがあるが、ピピノ・クエバスのWBA世界ウェルター級王座、直前の試合でウィルフレド・ベニテスのWBC世界ウェルター級王座に挑戦していずれも敗北している。ラスベガスでの一戦。3Rからのハイライト映像で観戦。ジャブ、右ストレートで攻めるウェストン。ハーンズは微妙。相手の接近を持て余し、手打ち気味のジャブ、ワンツー、そしてクリンチ&フットワークで「その場しのぎ」的な対応(スタミナ切れ?)。ワンツーの後が続かず、相手の右を食う。突然、試合終了。ウェストンが6R終了後に棄権。目を負傷したらしい。網膜剥離によりウェストンはこれで引退。「世界王者になる前のハーンズ」と言えば「飛ぶ鳥を落とす」勢いで相手をKOしまくった印象があるが、この試合の出来は悪かった。3Rからの映像であり、1R、2Rに何かあったのかもしれないが、相手の負傷に助けられた形の勝利だった。)

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