世界の名ボクサー:ジョージ・フォアマン①「巨象&戦う牧師」

世界ヘビー級王者。オリンピック戦&世界王者になる前の試合。イオナス・チェプリス戦、ボブ・ハゼルトン戦、グレゴリオ・ペラルタ戦、ジョージ・シュバロ戦ほかを紹介します。

ジョージ・フォアマン(アメリカ)
身長192cm:オーソドックス(右構え)

①ジョージ・フォアマン 2R RSC アルバート・ウィルソン
(メキシコオリンピック・ヘビー級トライアル戦、1968年)
(ダウンシーン)
2R:左フックでウィルソンがダウン
(感想:「象をも倒すパンチ」と形容された強打者フォアマン。本名は「ジョージ・エドワード・フォアマン」。テキサス出身。横幅がガッチリしており、威圧感を対戦相手に与える体格。少年時代はだらけた態度で札付きの不良(彼だけが特別悪だったわけではない。当時の黒人はまだまだ社会的地位が低く、差別の対象であり、希望の無い暮らしを強いられている者が多かった)。少年保護施設送り。人生を変えるため職業に就く努力をすると共に18歳の時にボクシングを習う。アマチュアのリングに上がり、ソニー・リストンのスパーリングパートナーを務めたことも(アメリカではプロとアマの交流はOKらしい)。余程才能があったのだろう。ボクシングを始めてから2年ほどでこの国内選考会。アマチュア試合ということで両者ヘッドギアを着用。白のトランクスのフォアマンはスリムな体型。黄色のウィルソン(黒人選手)はボクサータイプで、距離を取ってジャブ。攻める姿勢のフォアマンがジャブ、ストレート、ワンツー、左右フック、右アッパーからの左フックといったコンビネーションで優勢。ウィルソンは応戦するが、パンチを当てる器用さに欠ける。2R、連打からの左フックでウィルソンがダウン。立てず、試合終了。フォアマンが圧力で快勝。フックの打ち方には後にプロで見せる豪快さがあった。)

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