世界の名ボクサー:アーロン・プライアー②「猛打を振るう ”シンシナティの荒鷲”」

世界J・ウェルター級王者。世界王座防衛戦。デュジャン・ジョンソン戦、ミゲル・モンティリャ戦、亀田昭雄戦、アレクシス・アルゲリョ戦(初戦)、金相賢戦を紹介します。

アーロン・プライアー(アメリカ)
身長169cm:オーソドックス(右構え)

①アーロン・プライアー 7R TKO デュジャン・ジョンソン
(WBA世界Jウェルター級タイトル戦、1981年)
(ダウンシーン)
1R:右フックでプライアーがダウン
(感想:プライアーがタイトル防衛。これまで全勝のプライアーのプロ29戦目は世界王座の三度目の防衛戦。挑戦者ジョンソンはミシガン州デトロイトの選手(「クロンクジム」所属。セコンドにエマヌエル・スチュワード、トーマス・ハーンズ)。これまで全勝。王座戦はこれが初めて。オハイオ州クリーブランドでの一戦(リングサイドでラリー・ホームズが観戦)。1R、今回のプライアーはいつもと違う。足を使って距離を取りながらジャブ。ジョンソンはジャブで相手を追い、右ストレート、接近してフック。そして右フックでプライアーがダウン。「やられたらやり返す」のがプライアー。接近戦で左フックの応酬。その後、距離を取りながらも意表を突くようなタイミングでプライアーが右ストレート、左フック。正統派スタイルのジョンソンはガードの隙を突かれ、打たれる。3R、プライアーが左フック、ジョンソンが右カウンターを当てる。接近戦。手数でプライアー優勢。7R、右フックが効いたジョンソン。連打を浴びてレフェリーストップ。いつも「突貫攻撃」のプライアーが珍しく足をよく使った試合。しかし、最後はいつものような連打の嵐で強引に試合を終わらせた。ジョンソンはやや単調。クロンクの選手は正統派でキレイなボクシングをするが、その分、ラフな相手、パワーのある相手に弱い傾向がある。その後のジョンソンは勝ったり負けたり。残念なことに最後の試合から3か月後、金銭をめぐる争いが元で射殺された(23歳)。)

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