世界の名ボクサー:アーニー・シェイバース③ラスト「黒い破壊者」

ヘビー級の強打者。世界戦後の試合。ランドール・コッブ戦、ジェフ・シムズ戦、ジョー・バグナー戦、ジェームス・ティリス戦、ブライアン・イエーツ戦を紹介します。

アーニー・シェイバース(アメリカ)
身長183cm:オーソドックス(右構え)

①ランドール・コッブ 8R TKO アーニー・シェイバース
(ヘビー級戦、1980年)
(感想:ラリー・ホームズのWBC世界ヘビー級王座に挑戦して逆転TKO負けを喫したシェイバース(1979年)。その後、網膜剥離。再起戦はTKO負け。その次の試合は判定勝ち。そして、このコッブ戦。コッブはテキサス出身の厳つい白人でニックネームは「Tex」。キックボクサーからプロボクサーに転向したタフガイ。これまで全勝。デトロイト「ジョー・ルイス・アリーナ」での一戦(伝説の「ピピノ・クエバス vs. トーマス・ハーンズ」「サムエル・セラノ vs. 上原康恒(初戦)」のアンダーカード)。互いにディフェンスしながらジャブ、ストレートで1Rから打ち合い。動きのスピードはそれほど速くない二人。シェイバースはフック攻撃は迫力があるが、スタミナが続かない。右ストレートで攻めるコッブ。7R、コッブがラッシュをかける。8R、シェイバースがボカボカ打たれたところでレフェリーストップ。右フックの打ち方が野球のオーバースローみたいだったコッブ。パンチの打ち方はシェイバースの方が良かったが、コッブがディフェンス、ジャブ、右ストレート、実に個性的な右フックで勝利。シェイバースはコンディションが良くなかったのだろう。その後、コッブは多くの試合をしたが、苦難。シェイバース戦の次の試合でケン・ノートンに判定負け。再起戦でマイケル・ドークスにも敗れて二連敗。ホームズのWBC王座に挑戦するチャンスをもらったが、判定負けでそれが唯一の世界戦に。以後は後に世界を驚かすジェームス・ダグラスに判定負け、中堅どころを相手に連勝してキャリア終了。ボクサーとしてはまずまずだったが、リングに上がりながらその個性的な顔立ちを生かして映画に出演。『チャンプ』(1979年製作のリメイク作。ボクサー役)、『ポリスアカデミー4/市民パトロール』、エディ・マーフィ『ゴールデン・チャイルド』、ジム・キャリー『エース・ベンチュラ』などで有名俳優と共演。)

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