世界の名ボクサー:リディック・ボウ④「大柄な銀メダリスト」

統一世界ヘビー級王者。世界王座挑戦&防衛戦。ピエール・コーツァー戦、イベンダー・ホリフィールド戦(初戦・再戦)、マイケル・ドークス戦ほかを紹介します。

リディック・ボウ(アメリカ)
身長196cm:オーソドックス(右構え)

①リディック・ボウ 7R TKO ピエール・コーツァー
(ヘビー級戦、1992年)
(感想:デビュー以来、全勝でWBA2位、WBC・IBF3位に上がってきたボウ。プロ31戦目は重要な試合。「WBA世界ヘビー級挑戦者決定戦」としてWBA1位、IBF2位のコーツァーと対戦。コーツァーは南アフリカの白人。80年代にWBA王者になったゲリー・コーツィー以来の有望な南アフリカ白人ホープ。南アフリカ・プレトリア出身。1983年にプロデビュー。戦績は良いが、バーナード・ベントン(後、WBC世界クルーザー級王者に)、オジー・オカシオ(元WBA世界クルーザー級王者)に判定負け(二人とは再戦し、共にコーツァーが勝利)。その後、連勝でこの試合。世界王者イベンダー・ホリフィールドに挑戦するのはどちらなのか? ホリフィールド戦の興行を盛り上げるためにも共にこの試合で良い勝ち方をしたいところ。ラスベガス「ミラージュ」での一戦。互いにジャブ・右ストレート。ボウが速いパンチ、コーツァーは力んだ打ち方。1Rからボウのパンチがヒット。次第に両目の下が腫れていくコーツァー。7R、連打でストップ。ボウが能力を証明。パンチの正確さとスピードで上回った。標準レベルの相手には強いコーツァーだが、世界のトップに立つにはスピード不足。勝ったボウは次の試合でホリフィールドの統一世界ヘビー級王座に挑戦。コーツァーはフランク・ブルーノ、ジョージ・フォアマンに連敗して引退。WBA1位にまで登り詰めたが、一度も世界挑戦できなかった。)

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