世界の名ボクサー:ブルース・セルドン②「パワーで勝負する筋肉マン」

WBA世界ヘビー級王者。連戦連勝からの強烈な挫折。ホセ・リバルタ戦、オリバー・マッコール戦、リディック・ボウ戦、ジェシー・ファーガソン戦、トニー・タッブス戦を紹介します。

ブルース・セルドン(アメリカ)
身長187cm:オーソドックス(右構え)

①ブルース・セルドン 4R TKO ホセ・リバルタ
(ヘビー級、1991年)
(ダウンシーン)
1R:右フックでセルドンがダウン
3R:左右フックでリバルタがダウン
(感想:これまで全勝の「筋肉マン」セルドン。91年初試合はアウトボクサーとの勝負。リバルタは背の高いキューバ人。キューバのアマチュアエリート、ではなく、ボクシングを始めたのはアメリカに亡命してから(キューバ革命から避難してきた大勢の一人)。マイク・タイソンに10RでTKO負けした試合で日本のファンにもおなじみ。直前の試合では元王者ティム・ウィザスプーンに2-0で惜しくも敗れている。アトランチックシティ「Trump Taj Mahal」での一戦(ヘビー級イベント。「トミー・モリソン vs. ジェームス・ティリス」など。メインは「フランチェスコ・ダミアニ vs. レイ・マーサー」のWBO世界ヘビー級王座戦)。1R開始早々、いきなりの右フックでセルドンがダウン。秒殺かと思われたが、「スクッ」と立ち上がってまるで何事もなかったかのようにリバルタを猛攻。3R、攻められてロープにうつ伏せの体勢でもたれかかったリバルタ。レフェリーが体勢を整えさせなかったため、セルドンが攻撃を続行。ダウンしたリバルタのダメージは大きく、3R終了後に棄権。セルドンが危うい勝利。ゴツい体の割りには意外なほど打たれ弱いことが判明。しかし、パワーは一流。リバルタは残念。やはりヘビー級ではアウトボクサーは不利(強いパンチ&タフネスで勝負するのがヘビー級)。その後もリバルタは多くの試合に出場したが、大きなタイトルを獲得することはなかった。)

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