世界の名ボクサー:ジョージ・フォアマン⑧ラスト「巨象&戦う牧師」

世界ヘビー級王者。ついに悲願達成。そして苦闘。マイケル・モーラー戦、アクセル・シュルツ戦、ルー・サバリース戦、シャノン・ブリッグス戦ほかを紹介します。

ジョージ・フォアマン(アメリカ)
身長192cm:オーソドックス(右構え)

①ジョージ・フォアマン 10R KO マイケル・モーラー
(WBA・IBF世界ヘビー級タイトル戦、1994年)
(ダウンシーン)
10R:右ストレートでモーラーがダウン
(感想:フォアマンがタイトル奪回。トミー・モリソンと空位のWBO世界ヘビー級王座を争って敗れたフォアマン。一年以上間隔が空いてしまったが、ビッグチャンス到来。その再起戦でWBA・IBF王座に挑戦。しかし、フォアマンはWBAのランクに入っていないため王者モーラーはWBA王座を剥奪されそうになったが、結局は「王座戦」として承認された。モーラーはヘビー級では珍しいサウスポー。イベンダー・ホリフィールドから王座奪取。これまで全勝でKO勝ちが多い。元WBO世界L・ヘビー級王者でもある(二階級制覇王者)。しかし、元々の打たれ弱さもあり、ヘビー級ではダウンを喫したりする厳しい試合も。ラスベガス「MGM Grand」で行われた一戦。右ジャブ、左ストレートを器用に当てるモーラー。フォアマンはジャブ、右ストレートで応戦。モーラーがジャブを使いながら、細かい連打を時折ヒットさせる。フォアマンのパンチはなかなか当たらない。このまま判定になればモーラーの勝ちになっていたところだったが、10R、左ジャブからの右ストレートでモーラーがダウン、KO。フォアマンが奇跡の王座奪回。そのフィニッシュシーンは世界を驚かせた。結局、モーラーはL・ヘビー上がり。フォアマンの打たれ強さとパンチ力は「ヘビー級の厚い壁」だった。その後、モーラーはIBF王座を奪回できたが、対戦相手の質、フォアマン戦でのKO負けのイメージから「格が低い王者」といった雰囲気があった。)

ここから先は

3,105字
この記事のみ ¥ 100
期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?