世界の名ボクサー:フェリックス・トリニダード⑥ラスト「プエルトリコ最強の男」

世界三階級制覇王者。世界王座陥落後のブランク、苦闘。アシン・シェリフィ戦、リカルド・マヨルガ戦、ロナルド・ライト戦、ロイ・ジョーンズ・ジュニア戦を紹介します。

フェリックス・トリニダード(プエルトリコ)
身長180cm:オーソドックス(右構え)

①フェリックス・トリニダード 4R TKO アシン・シェリフィ
(ミドル級戦、2002年)
(ダウンシーン)
3R:右フックでシェリフィがダウン
4R:左フックで2度、シェリフィがダウン
(感想:バーナード・ホプキンスにKOされて初黒星を喫したトリニダード(40勝(33KO)1敗)。地元で再起戦(2002年初試合、5月)。シェリフィはフランス人で32勝(20KO)5敗1分。デビュー戦に敗北。フランス王座(ミドル級)挑戦に失敗。二度目のチャレンジで同王座獲得。欧州王座(ミドル級)も獲得、防衛。WBC世界スーパーミドル級王座戦でロビン・リードに敗北したが、その再起戦でキース・ホームズからWBC世界ミドル級王座奪取。しかし、リターンマッチに敗れて王座陥落。ウィリアム・ジョッピーのWBA世界ミドル級王座への挑戦は判定負け。直前の試合はWBOの暫定王座戦(ミドル級)で、判定負け。多くの王座戦を経験してきた元世界王者。トリニダード相手にどんな試合をするか? プエルトリコ・サンファンでの元世界ミドル級王者同士の一戦。前髪が薄いシェリフィ(老けて見える)。ガードを上げてジャブ連打、右ストレート、左フック。タフそうな重さを感じる動き。しかしながら、パンチの伸びでトリニダード。伸びるジャブ、ワンツーからの左フックといったコンビネーションでトリニダード優勢。3R、右フックでシェリフィがダウン。4R、シェリフィが迫力のあるコンビネーション(左フックからの右ストレート)。しかし、強烈な左フックでシェリフィがダウン。立ち上がるタフなシェリフィだが、左フックで二度目のダウン。今度も立ったが、レフェリーは試合を止めた。トリニダードが快勝。パンチの伸び、正確さ、パワーは健在。シェリフィはゴツいパンチを打っていたが、攻撃が単発。トリニダードのナチュラルなコンビネーションには敵わなかった。その後の二人。その数ヶ月後、トリニダードは引退を発表(29歳)。シェリフィはフランス王座戦(ミドル級)に勝利するなどの活躍を見せたが、その後は負けが込むようになっていった。)

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