世界の名ボクサー:ヘンリー・アームストロング②ラスト「驚異的タフネスの三冠王」

同時世界三階級王者。伝説の拳豪。セフェリノ・ガルシア戦(初戦・再戦)、ベビー・アリスメンディ戦(五戦目)、ルー・アンバース戦(再戦)を紹介します。

ヘンリー・アームストロング(アメリカ)
身長166cm:オーソドックス(右構え)

①ヘンリー・アームストロング 15R 判定 セフェリノ・ガルシア
(世界ウェルター級タイトル戦、1938年)
(感想:アームストロングがタイトル初防衛。1938年5月31日、世界フェザー級王者アームストロングがバーニー・ロスを破って世界ウェルター級王座を奪取。その次の試合(1938年8月17日)でルー・アンバースを破り、世界ライト級王座獲得、三階級制覇。これで三つの異なる階級の世界王座を同時に保持するという離れ業を達成。アンバース戦の次の試合がこのガルシア戦。ガルシアはフィリピンの選手。いわゆる「ボロ・パンチ(大きな鎌を振るうかのような振りの大きいフック)」の持ち主で、このところ連勝中。フィリピン時代にローカル王座獲得。アメリカを主戦場に移し、カリフォルニア州王座(ウェルター級)を獲得、防衛。ロスの世界ウェルター級王座に挑戦して敗れたことがある。ニューヨーク「マジソン・スクエア・ガーデン」での一戦(映像のテロップに「プロモーターはマイケル・ジェイコブス」)。共に左のガードを下げた構え。ガルシアが左手を前に出す構えでジャブ、ワンツー、左でボロ・パンチ。振りが大きいパンチだが、正確さがある。アームストロングはいつものように前進してフック攻撃。まるで相撲のような押し合いを仕掛け、かち上げるようなボディ打ち(打ち方、後ろ姿がマイク・タイソンに似ている)。もみ合い、クリンチが多いが、試合自体はアームストロングの右フックが有効な印象。しかし、ガルシアも悪くない。距離を取ってワンツーからの左フック。15R終了。判定は3-0。アームストロングの攻勢が評価されたと思われる。キレイなボクシングだったガルシア。そのため、やや押され気味。王者を圧倒するようなラッシュがもっと欲しかったところ。その後、二人は立場を入れ替えて再戦。)

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