世界の名ボクサー:ラリー・ホームズ⑦「イーストンの暗殺者」

WBC・IBF世界ヘビー級王者。40歳を過ぎて世界挑戦。イベンダー・ホリフィールド戦、ゲーリング・レイン戦、オリバー・マッコール戦、アンソニー・ウィリス戦ほかを紹介します。

ラリー・ホームズ(アメリカ)
身長191cm:オーソドックス(右構え)

①イベンダー・ホリフィールド 12R 判定 ラリー・ホームズ
(世界ヘビー級タイトル戦、1992年)
(感想:ホリフィールドがタイトル防衛。レイ・マーサーに勝利したホームズ。次の試合はビッグチャンス。王者ホリフィールドは元統一世界クルーザー級王者でもあった二階級制覇王者。スピードと正確なコンビネーションが武器。ジェームス・ダグラスをキレイにKOして世界ヘビー級王者に。しかし、初防衛戦ではジョージ・フォアマンの巨体に苦しめられ、二度目の防衛戦ではバート・クーパーの強打でダウンを喫してしまった。試合前、ホームズ「足を鍛えている」「押しまくってKOする」とコメント。どんな内容となるか?   ラスベガス「シーザース・パレス」での一戦(リングアナはマイケル・バッファ、レフェリーはミルズ・レーン。ホリフィールドのセコンドには「狂犬」ルー・デュバ)。いつものように足でリズムを取るホリフィールド。ジャブ、そしてコンビネーション(左フックからの右ストレート、左ボディからの左フック、ほか)。ホームズはジャブ、ブロック、クリンチ。2R、ホームズがロープを背負って右カウンター、左フックを狙う作戦。距離を詰めるホリフィールドだが、相手のカウンター狙い&ディフェンスに遮られてもみ合うような打ち合い。3R、ホリフィールドの右ストレートがヒット。7R、パワフルなワンツーを見せるホームズ。しかし、悲しいことにスタミナが続かず。9R、ホリフィールドが左フックを空振りして転倒(この試合を象徴するような冴えないシーン)。11R、カウンター狙いのホームズが「打ってこい」とホリフィールドを挑発(相手が攻めてきてくれないと使えないのが「カウンター作戦」の特徴)。12R終了。決定打を欠き、共に疲れた様子。判定は3-0。ホリフィールドが攻めの姿勢で勝利。コンビネーションが少な目だったが、ディフェンスされたのが原因だったのだろうか? ホームズはこのあたりが限界。畳み掛ける攻撃ができるような体力に欠けていた。試合後、ホームズは右目が網膜剥離の状態で試合をしたことを明らかに(試合前のドクターチェックの方はどうなっていたのだろう?)。その後のホリフィールド。次の防衛戦でリディック・ボウに敗北(初黒星)、王座陥落。その後もリングに上がり続け、ボウから王座を奪回したり、マイク・タイソンをKOしたりといった活躍。しかし、妙にビルドアップされた身体になって本来のキレが無くなっていったのが少し残念。)

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