世界の名ボクサー:ヘクター・カマチョ③「スピードで勝負のマチョマン」

80年代を中心に活躍した人気者。二階級制覇&防衛戦。ルイ・バーク戦、ホセ・ルイス・ラミレス戦、エドウィン・ロサリオ戦、ハワード・デービス戦ほかを紹介します。

ヘクター・カマチョ(プエルトリコ)
身長169cm:サウスポー

①ヘクター・カマチョ 6R TKO ルイ・バーク
(ライト級戦、1985年)
(ダウンシーン)
2R:左カウンターでバークがダウン
5R:連打でバークがスタンディングダウン
(感想:カマチョ(22歳)のプロ26戦目。WBC世界J・ライト級王座を返上して今ではWBC世界ライト級5位のカマチョ。ライト級で二階級制覇を目指す状況。バーク(23歳)はニューメキシコ出身の白人ファイター。これまで19勝(12KO)1敗。フレディ・ローチに二勝するなどデビューから連勝だったが、チャーリー・ブラウンに判定負け、初黒星(ブラウンはその次の試合でハリー・アローヨのIBF世界ライト級王座に挑戦してTKO負け)。カマチョ戦は再起二戦目となる。アトランチックシティでの一戦。毛皮のコートで入場のカマチョ。トランクスはヒョウ柄。戦いぶりはいつもと同じ。右ジャブを連打して左ストレート。攻めの姿勢。バークも攻撃重視。ダッキングを使いながら接近して右ストレート、左右連打。粗い打ち方でパンチのキレはそこそこであるが、タフネスで勝負。右フックを当てるカマチョ。2R、左カウンターでバークがダウン。立ったバークにカマチョが激しいラッシュ(会場がドッと沸く)。しかしながら、バークはタフ。手数を多く出し、ボディ攻撃。カマチョはクリンチや右手で相手の首を押さえるいつもの反則を使いながらジャブ、左カウンター、連打で応戦。パンチの正確さでカマチョ。バークは顔が腫れ、5Rの終了直前には連打でスタンディングカウントを聞く。5R終了後、バークが棄権。カマチョが連勝記録を更新。相手はなかなかタフだったが、正確な攻撃で手堅く勝利した。バークは攻め一辺倒。ディフェンスのテクニックにやや欠けていた印象。次の試合でWBC米大陸王座(J・ライト級)に挑戦してTKO負け。それが最後の試合となった。)

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