世界の名ボクサー:モハメド・アリ⑥「ザ・グレーテスト」

世界ヘビー級王者。北米王座防衛戦。フロイド・パターソン戦(再戦)、ボブ・フォスター戦、ジョー・バグナー戦(初戦)、ケン・ノートン戦(初戦・再戦)ほかを紹介します。

モハメド・アリ(アメリカ)
身長191cm:オーソドックス(右構え)

①モハメド・アリ 11R TKO アルビン・ルイス
(ヘビー級戦、1972年)
(ダウンシーン)
5R:ワンツーでルイスがダウン
(感想:世界王座奪回を目指す北米王者アリがノンタイトル戦(プロ39戦目)。ルイスはミシガン州デトロイト出身の黒人。デビューから連勝だったが、TKOで初黒星。ピークを過ぎたクリーブランド・ウィリアムスに勝利したが、直前の試合ではバッティングでオスカー・ボナベナに反則負け。アイルランド・ダブリンでの一戦(妙にリングが小さい。また、大勢のファンが押し掛け、タダで観戦した者もいたという)。共にボクサータイプ。ジャブ、ワンツー、左フック。器用さとディフェンスでアリが上回る。アップライトスタイルのルイスは攻めるときのディフェンスに甘さがあり、その隙を突かれる。3R、アリの接近を食い止めようとルイスが両手でアリを押さえる(滑稽なシーン)。5R、ワンツーでルイスがダウン。ダメージ深いが、ゴングに救われる。その後もアリが隙を突くジャブ、右ストレート。ルイスはジャブで応戦し、時折ヒットさせる。9R、アリが左フック、ワンツーで力強い猛攻。ルイスはパワーを込めた右フックで応戦。10R、打たれるルイス。11Rにジャブを連打されたところでレフェリーストップ。アリが精力的な攻めで勝利。三年のブランク後、パワーが落ちたアリ。「打たせずに打つ」のが本来のスタイルだが、パワーダウンのためカムバック後は苦戦が多い。そのため「多少打たれても攻める」スタイルに変貌せざるを得なくなった。この試合ではその傾向が見られた。ルイスは意外に良いパンチ(特にフック)。それを効果的に使いこなせなかったのが残念。その後もルイスはリングに上がり続けたが、大きな試合は無かった。)

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