世界の名ボクサー:オスカー・デラ・ホーヤ⑨「本物のゴールデン・ボーイ」

世界六階級制覇王者。S・ウェルター級戦&六階級制覇。フェルナンド・バルガス戦、ヨリボーイ・カンパス戦、シェーン・モズリー戦(再戦)、バーナード・ホプキンス戦ほかを紹介します。

オスカー・デラ・ホーヤ(アメリカ)
身長179cm:オーソドックス(右構え)

①オスカー・デラ・ホーヤ 11R TKO フェルナンド・バルガス
(WBA・WBC世界S・ウェルター級王座統一戦、2002年)
(ダウンシーン)
11R:左フックでバルガスがダウン
(感想:デラ・ホーヤが王座統一。五階級制覇王者のデラ・ホーヤ(WBC王者)。これまで34勝(27KO)2敗。カスティリェホ戦(2001年6月)から間が空いて2002年初試合(9月)。統一戦で、相手はWBA王者。22勝(20KO)1敗のバルガスはカリフォルニア州出身。活きのいい選手でニックネームは「Ferocious(凶暴な)」。アマチュアで優秀な成績。ただ、アトランタオリンピック(1996年)ではメダル獲得ならず。プロ転向して、連勝。ルイス・ラモン・カンパスからIBF世界J・ミドル級王座獲得(1998年)。アイク・クォーティらを相手に連続防衛を果たしたが、WBA王者フェリックス・トリニダードとのWBA・IBF世界J・ミドル級王座統一戦にKO負け、初黒星(2000年)。その後、トリニダードが返上したWBA世界J・ミドル級王座を決定戦で獲得。WBC王者デラ・ホーヤと統一戦。ラスベガスでの一戦(リングアナはマイケル・バッファ、レフェリーはジョー・コルテス)。メキシコ国旗をイメージしたガウンのバルガスがフリオ・セサール・チャベスに付き添われて入場。デラ・ホーヤは星条旗デザインのガウン(&トランクス)で、セコンドにはフロイド・メイウェザー・シニア。ゴング。ジャブ、回転の速い左右フック、ボディ連打のデラ・ホーヤ。バルガスは右ストレート、左フックにパワーを込める。今回のデラ・ホーヤはフェリックス・トリニダード戦の雰囲気。パンチのあるバルガスを警戒してディフェンスしながら慎重にアウトボクシング。バルガスは力強いがディフェンスされ、右目下を負傷。4R、デラ・ホーヤが左ボディからの左フック、右ストレート、鋭いジャブを当てる。5R、バルガスが左フック連打、左ボディ打ち、右ストレート。6R終了後にハプニング。ラウンド終了後にデラ・ホーヤの右ストレートがヒット。その後、デラ・ホーヤの右ストレートが効果的。10R、バルガスが連打からの左フックを食ってピンチ。11R、左フック一撃でバルガスがダウン。立ったが、コーナーに詰められて連打されたところでレフェリーストップ。デラ・ホーヤが快勝。トリニダード戦ではアウトボクシングをジャッジに評価されず負けてしまったが、今回は攻める姿勢をプラスして勝利。手数で上回った。バルガスは狙いすぎ。柔軟にコンビネーションできない欠点があった。そして意外なことにバルガスはこれが最後の世界戦に(ブランクを作ったり、シェーン・モズリーに二連敗したり)。引退後はTV番組、ドラマに出演したりしているという。)

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