世界の名ボクサー:オスカー・デラ・ホーヤ⑦「本物のゴールデン・ボーイ」

世界六階級制覇王者。ウェルター級での強敵との戦い。フリオ・セサール・チャベス戦(再戦)、アイク・クォーティ戦、オバ・カー戦、フェリックス・トリニダード戦ほかを紹介します。

オスカー・デラ・ホーヤ(アメリカ)
身長179cm:オーソドックス(右構え)

①オスカー・デラ・ホーヤ 9R TKO フリオ・セサール・チャベス
(WBC世界ウェルター級タイトル戦、1998年)
(感想:デラ・ホーヤがタイトル防衛。デラ・ホーヤ(25歳)の五度目の防衛戦は再戦。相手は36歳のチャベス。初戦はWBC世界J・ウェルター級王者チャベスにデラ・ホーヤが挑戦する形で行われ、TKOでデラ・ホーヤ勝利。あれからチャベスは王座返り咲きを目指してミゲル・アンヘル・ゴンザレスと空位になったWBC世界J・ウェルター級王座を争ったが、引き分け。再起戦に勝利して、このデラ・ホーヤへの挑戦。パーネル・ウィテカーが王者だった頃にもWBC世界ウェルター級王座に挑戦しており(引き分け)、これが同王座への二度目の挑戦となる。ラスベガス「Thomas & Mack Center」での一戦(レフェリーはリチャード・スティール)。選手入場。メキシコ国旗をイメージしたデザインのチャベス。星条旗のガウン&トランクスのデラ・ホーヤ(トランクスにはメキシコ国旗も)。ゴング。手を前に出す構えのデラ・ホーヤ。速いジャブ、得意の左フック。ブロックしながら接近して速い連打をまとめる。斜め下からの左フックに鋭さとパワー。チャベスもジャブ、ワンツー。しかし、相手のディフェンス、スピードにやりにくそうな雰囲気。3R、チャベスがローブロー(怒りのデラ・ホーヤ)。打ち合いでは共にパンチの正確さ。しかし、手数でデラ・ホーヤか? 8R、攻めるチャベス、応じるデラ・ホーヤ。ラウンド終了間際、デラ・ホーヤの強烈な左フックが炸裂。口を切ったチャベスがこのラウンド終了後、棄権。デラ・ホーヤが鋭いパンチで勝利。またしてもキズによる決着となったが、デラ・ホーヤは王者らしい強さを見せた。チャベスは相手のスピード、ディフェンスを崩せず。まだまだ強いが、トップクラスには最早付いていけない。その後もチャベスはリングに上がり続けたが、コンスタンチン・チューにTKO負けでかつて保持していたWBC世界J・ウェルター級王座を奪回することはできなかった。)

ここから先は

3,446字
この記事のみ ¥ 100
期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?