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『育児がしたい』と言ったママさん

僕の働いている整体にはいろいろな人が来ます。様々な人と関わりますが、この前来た産後2ヶ月のママさんの話を聞いていろいろ考えさせられたので今回はその話をしたいと思います。

まず産後2.3ヶ月くらいで来られる方のほとんどは疲れている事が多いです。そりゃそうです。出産を終え、眠れない日々を過ごし、慣れない育児、終わりの見えない育児に追われて疲れないわけがありません

しかしその産後2ヶ月のママさんはそんなに疲れていない感じでした。

施術をしていく中でそれがどうしてなのかわかっていきました。


「肩の可動域いいですね。元々運動とかしてましたか?」

と僕が尋ねると

「あー運動は学生時代から大してしてないですけど、一応最近は家で出来るヨガとかやってます」

驚いた僕は

「ヨガですか?!すごいですね。産後2ヶ月でセルフケアをちゃんと出来てるなんて」

と伝えました。

ママさんはいやいや全然〜みたいな感じのリアクションだったので僕はこう続けました。

「産後だとセルフケア出来るのもすごいですし、そもそもそんな気力がない方多いんですよ。眠れなかったりして。あまりそんな感じに見えないから施術しながら驚いてるんですよ」

こう伝えると、「あー、、、」と言いながら少し間を置き、ママさんは話始めました。

「産まれてきた子供が大きかったんです。4000g超えてて」

「え?!4000?!」


最近の子は3000g超えたら大きいと言われますが、4000gは実際に聞いた事がなかったのでかなりの驚きでした。

そしてママさんが

「巨大児だったので難産だったんですよ。それで産後1ヶ月くらいまともに動けなくて。」

「それは大変でしたね、、、」
と返しました。すると驚きの言葉が返ってきました。

「大変だったんですけど、その時何が辛かったって育児が出来ない事がつらくて。だから今は眠れないとか、しんどいとかより育児が出来る事の喜びが勝ってるんですよ」

数秒言葉を失いました。

育児をしたくても出来ないパターンもあるのか、、、と。

漫画とかでそういうケースがある事は知っていましたが実際に話を聞くとなかなかの衝撃でした。

だからメンタルが弱っている感じがしないのか。と納得もいきました。


育児をすると言う事は親にとっては当たり前の事です。しかしその〝当たり前〟の事を出来ない人がいるんだと思い知りました。

⚪︎当たり前に感謝出来ること

どんな事でも当たり前じゃないと気づけるのはすごく大事な事だと思うんです。

僕にも似たような事がありました。産後2ヶ月間は妻が実家に里帰りをしました。僕にとって妻と子のいない2ヶ月は彩りがなく灰色の日々でした。何を食べてもまるで味がしないような、そんな感覚でした。妻と子供に会いに行ける休日をただただ楽しみに生きていた2ヶ月間でした。寂しくてそんな感情になっていたわけではないんです。妊娠が発覚してから200日以上毎日お腹の子供に話しかけて過ごしてきました。とにかく妊娠期間をいいものにしようと妻とたくさん話し合いました。全力で妊娠期間と出産に臨んで(ほとんど頑張ったのは妻ですが)妻と子の為に出来る事はないかと考える事が生き甲斐になっていました。そしてそんな中、無事子供が産まれて、ではさようなら〜と引き離され急な2ヶ月間の一人暮らし期間が来たわけです。急に家の中に当たり前に存在していた生き甲斐達が家からいなくなったのです。
子供が産まれてから一年半近く経ちました。眠れない日々もありました。わからない子育てに頭を悩ませる日々もありました。しかしいつが1番僕にとってしんどかったかと言うと妻と子がいなかったあの2ヶ月間なんです。逆にその時期があったからこそ、子供が泣こうが喚こうが、睡眠が削られようが全然苦ではなかったです。あの灰色の日々に比べれば子供と妻がいるだけで景色が全然違いました。だから子供も妻も当たり前に居るわけじゃないと知れる期間があったのはとても良かったです。


僕はこの期間を経て、

幸せとは『当たり前の事に感謝ができる事』

と思うようになりました。
いくらお金があっても不満をもってる人もいれば不自由ない暮らしなのに満たされていない人もいます。健康に感謝できたり、食事や家族に感謝出来る人が幸せだと僕は考えるようになりました。


子育てが出来ることも当たり前だと思わず出来るといいと思います。

ただ最近感じる事は、確かに当たり前にならず、感謝の気持ちを持ちつつ、育児を出来たらいいなとは思うんです。でも〝育児って大変だな〟とか〝うまくいかないな〟とか感じた時に弱音を吐いたり誰かに頼ったりする事も大切だとすごく感じました。

うちの妻がそうでしたが、頑張りすぎてしまうんです。〝感謝しなきゃダメだよね〟〝こんな事で弱音吐いちゃだめだよね〟と自分を追い込んでしまう場面もありました。そうなると自分を責めて落ち込んでいっぱいいっぱいになってしまいます。

だから育児が出来ることを喜んで感謝して楽しむ事は理想ですが、ずっとその感情である必要はないと思うんです。時には嘆いたり、不満を口にしたり、ある程度適当な育児もしたっていいと思います。頑張りすぎず心のバランスをうまく保って出来たらいいなと思います。


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