気兼ねなく焼肉にいける友
焼肉食べに行きましょう、と軽やかに約束ができる相手がどれだけいるだろうか。大学生の頃は数名いた気がする。大人になり、結婚し、子どももいる今、近くでふらっと焼肉に行ける友人が珍しくなった。
台湾好きの共通項で繋がったあみさんという人がいる。彼女とはかれこれ7年の付き合いになる。台湾原住民の文化を学びながら、彼らのクリエイティブを持ち帰り日本で伝えている。彼女がどこかで店を開くとなったら、できる限り駆けつけている。必ず、素敵なものを持ち帰ってくれるからだ。
私といえば、2歳から3年ほど台湾にいたらしい。あまり記憶にない。ただ、台湾に行くたびに故郷に帰ってきた感じがするのは、肌が台湾の感覚を覚えているからだろう。とても落ち着く国だ。なんなら実家より落ち着く。
いつのまにか台湾なしに、焼肉で繋がるようになった。互いに心から焼肉が好きなのである。
焼肉にはロマンがある。火を見る、焼ける音を聞く、時折ひっくり返して、取ったり取ってあげたりして、食べながら話すリズムが好きだ。
カルビは焼きすぎない。カルビはよく燃えて焦げがちだ。もっとも慣れて雑に扱えてしまう代物だからこそ、じっくりと焼く。レア気味が美味しい。親しき中にも礼儀ありだ。
ハラミは必ず頼む。
ハラミもカルビ同様、焼きすぎない。
大抵、ハラミが一番おいしい。
ホルモンも必ず頼む。
シマチョウとマルチョウの違いがいつもわからなくなる。覚えては忘れる仲である。シマが平べったくて、マルが固まりっぽいことだけは覚えた。ホルモンの焼き方はじっくりと、火の弱いところで。よく焼かないとお腹を壊すが、焼きすぎると肉汁まで逃げてしまうので、これもまた頃合いの見極めに肝を冷やす。
今日のところはとてつもなくおいしかった。
最近、気に入っていた店がなくなってしまったので、新規開拓をしていた。リピートできるところが見つかり安心である。
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