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king of pop 2018/9/9 Artist紹介④  Bruno Uesugi 【HAKA GANG/dosing/なーどーぷ…。群馬生まれブラジル育ちの少年が、インターネットと音楽でこの世界を渡り歩くまで、なんつって】


spotifyの影響で、一気にその頭角が、いや、というより、本来かなりの数を占めていたが音楽的には無視されていたヒスパニックの風が、ついに目に見えてきている。上記の二つの曲がまさにそうだ。もう無視はできない。ラテンの風をどうしても、なんかどうにか、今king of popに持ってこないとなんか、嘘になりそうな気がする。そう思ったとき、「あ」と、あの少年のことを思い出した。

ブルーノ上杉。彼のことを知ったのはいつだったか。渋谷のシェアハウスの渋家で、だったか。それともどこかのクラブか。いや、それともあの時、青山editisonで、ひときわ目立った、外国人だらけのパーティ「TOO LIT」だったか。とにかく彼のDJ、トラックメイクはもはや他より頭ひとつ目立っていた。いつか呼びたいと思ったが、今ほど好機なものもあるまい。そんなわけで彼の知ってる渋谷のブラジル料理店で待ち合わせ、飯がてらインタビューをした。
特筆すべきは彼が渡り歩く音楽コレクティブの多様さだ。今じりじりと名をあげている、高速bpmのB2B集団(本当に今彼らを見ないともったいないと思える)、HAKA GANG。日本に拠点を置きつつも、そのすべてが外国人あるいはクォーター、ハーフの子たちで成り立っている「dosing」。名前からもわかるように、古き良きオタクのハードコア魂を見せる「なーどーぷ」。その一見バラバラの場所で普通に息をするブルッチことブルーノ。それは、今世界がグローバルなんていう紋切った言葉の次へといかなければいけないってことを、わからせてくれるだろう。


―なんかくだらないことから聞いちゃうね。なんかtwitterで画像挙げてたアリあるじゃん。あれうまいの?俺本当に偏食だからさ。

Bruno Uesugi(以下B)「あれ、ブラジルで食べたんですけど、柿ピーみたいな味がするんですよ!」

―あとなーどーぷに入ってるってことは、アニメとか好きだと思うんだけど、フェイバリットのアニメを無理やり3つあげてみて!

B「うーーん シュタゲ(STEINS;GATE)・ひぐらし(のなく頃に)・ジョジョ(の奇妙な冒険)ですかね!」

―ちなみに、ジョジョは何部?

B「2部と4部です!」

―へー。じゃあちゃんとしたことも聞いちゃうと、ブルーノの生まれとか、DJの馴れ初めとか聞いとこうかな。

B「日本の群馬で生まれたんですけど、10歳の時…それ確か2009年くらいだったと思うんですが、そこでブラジルのブラジリアに行ったんですよね。ブラジリア、治安がどうとかってより単純にド田舎なんで、人がいないんですよ。で、そこで5年くらいいて、2015年に日本に帰ってきたのかな。」

―ブラジリアって計画都市なんだね。ニュータウンみたいだな。

B「そこで、えーとDJ馴れ初めでしたっけ?B-BOYの兄がいるんですよ。彼を見てていろいろ音楽とか聞いて、決定的だったのはpcdjソフトのVirtual DJってのをゲットした時でしたね。そこから更に、youtube、ニコニコ動画、soundcloudとかが出てきて…」

―そういう波に乗っていったってことだね。

B「なーどーぷとの出会いも、確かクラブで遊んでたらskimoさんか誰かが、彼がBruno君だよ、って紹介してくれて。確か和田アキ子のjukeとか作ってたんですよね(笑)それで知られたみたいで。HAKAのツムツム君(T5UMUT5UMU。HAKA GANGの首領ともいえる人物。)とはバチカとかで会ったのかな。dosingのsteffen(Steffen¥oshiki )もそんな感じで、一回RUBY ROOMかどこかに遊びにきなよーって言われて行ったら、そこでいきなり3時間くらいDJしましたけどね(笑)」

―今回、フライヤー見てもらえばわかるんだけど、どれだけ、グローバルなものを取り入れられるか、みたいなとこにちょっと挑戦してるところもあるの、king of popがね。で、brunoもバイレとかそこらへんの動きを敏感に追いかけてると思うんだけど、この日本ってパスポート持ってる人が異様に少なかったり、すごくある意味内向きの国でもある。安全と引き換えにね。音楽の趣向とかもそう。俺はなんか最近そう思ってる。だから「ワールドミュージック」的なもので、一番日本人の耳をとらえなさそうな音とか、、あるかな?

B「ビートがちょっと複雑になると、ついていけないな、ってなる人が多いような気はしますね。」

―最後に、ブラジルのいいこと、悪いとこ教えてください。

B「やっぱり治安とかは悪いですよ!(笑)それに本当にネットとかも全然通じない。ランハウスっていう日本でいうネットカフェみたいなとこに入り浸ってた時もありました。いいところは、あれですね、家が広いとか、そういうところです」

…そのほかにもいろいろ聞いた気がするが、改装してリッチになってしまったのか異様に高い値段に頭をぶっ飛ばされて覚えていない。

…この後、一週間後にHAKA GANGが荒川沿いの廃墟でレイブをやるというので見に行った。人がいるいない関係ない、スピーカーを持ち寄り(一旦壊れ)、160bpm越えのビートで狂乱する人間たちの中に、ブルーノもいた。そんな彼がラテンビートを、スペイン語が母語のポルトガル語に近いくらい公用語となっているブラジルの血を持ちながらどうプレイするのか。楽しみにしてほしいし、HAKAともdosingとも、なーどーぷでもない彼個人として、どうDJをしていくのか、本当に楽しみである。


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