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[レビュー]「努力が実になれば魅力」FC東京戦個人的レビュー!
絶好のJリーグ日和となった2月18日金曜日、もうお馴染みとなったFRIDAY NIGHT J.Leagueで30年目のJリーグが開幕した。
夜のキックオフだったが、お昼頃はサムネイルの通り快晴。寒さはあったが、Jリーグを見に行くには申し分ないコンディションだった。
ここから週末の結果に一喜一憂し、全国各地から雄叫びや悲鳴が聞こえたりする忙しい日々が帰ってくる。
今年の開幕戦は、川崎F vs FC東京。多摩川クラシコと呼ばれるこの戦いも今回の対戦で39回目を迎える。年月にすると20年目ということになる。(この名前がついたのは15年くらい前だけど)
ちなみに、開幕戦でこのカードになるのは2019年以来、その時は久保建英の活躍もあり0-0のスコアレスドローだった。
名前の由来は、2部相当のリーグがまだJ2ではなくJFL(日本フットボールリーグ)だった時代、富士通(川崎Fの前身)と東京ガス(FC東京の前身)が優勝を争うライバル関係にあったことから、両方のホームタウンの間を流れる多摩川に、スペイン語で「伝統の一戦」を意味する「クラシコ」の名を足して出来た。
それが多摩川クラシコである。
東京と川崎、まさに多摩川の流れの如く時には激しく、また時には穏やかに両者はマッチアップしてきた。
名前に歴史が追いついてきたとでも言うべきだろうか、両クラブの名実が上がると共にこの対戦の価値も上がってきた。
そんな20年目の伝統の一戦をレビューする。
川崎フロンターレ
総括
全体的にスーパーカップよりやりたいことが明確に整理されていたイメージ。連動したプレス、流動的なポジショニングからワンタッチのリズミカルなパス。息の整った連携が戻ってきた。ただ、車屋の怪我の状態が心配だ。
息が整い始めた。
スーパーカップの後半のメンバーをスタメン起用し、序盤からリズムを作り出す。
まずは前半5分、チャナティップ→マルシーニョのラインは憲剛→ジュニーニョを彷彿とさせる。
前半10分、相手のプレスをいなしながら、大外から前進
同じく前半10分、車屋からマルシーニョへの素晴らしいパス。お見事。
前半16分、パスミスを奪ってからの2タッチ以下での連動 大島→ダミアン→マルシーニョ→脇坂
同じく前半16分、チャナティップが30メートルほど持ち上がり、逆サイドの家長に散らす。
それに呼応して山根がインサイドを駆け上がり、最後はチャナのワンタッチからチャンスが生まれる。
前半17分、相手の安易なトラップミスを拾ってから7本のパスでフィニッシュ。
前半18分、相手GKのフィードを谷口がカット、ダミアンに繋ぎ又抜きパスからマルシーニョ。
前半33分、チャナティップから浮き球のパスでマルシーニョへ、惜しくもオフサイドとなったが、圧巻のパスだった。
前半36分、ダミアンのチェイスからの連動したプレス、誰が前に出るのか言われなくてもハッキリとしていた。
前半だけでいいシーンがこれだけある。スーパーカップからの1週間でイメージの共有と整理が行われ、見事な連携を見せていた。
またチャナティップのフィット感が増しており、彼の独創的なプレーが中央を堅める東京ディフェンスに風穴を開けた。
シーズンが進むにつれて連携の部分は都度修正されていくので、今後はより息のあったプレーが見られることだろう。
努力が実になれば魅力、知念の進化、大弥の台頭
息が整った川崎に更なる変化をもたらしたのが、途中出場の2人だ。
知念は後半15分からマルシーニョに代わって入り、左ウィングを担う。
この時間帯からフロンターレは自陣に押し込まれ、守る時間帯が長くなる。
ただ、そこで活躍したのは知念だ。
球際で相手を押さえ込み、ファーストディフェンダーの役割を果たした。プレスに行くタイミングはまだ調整が必要かもしれないけど。
遠野は後半31分から脇坂に代わって入り、2分後には又抜きから強烈な左足。その後のCKを蹴り、レアンドロ ダミアンの先制点をアシストしている。
後半37分には遠野のクロスから知念へ。タイミングが合わず流れてしまったが、可能性を感じさせるシーンを作り出した。
2人とも昨シーズンは思うように活躍出来なかっただけに、結果を残したいという気持ちが前面に出ていた。
努力が実になれば魅力
これはあるアニメソングの一節である。
努力の頭文字を「み」に変えれば魅力と読み替えることができるというメッセージを持った歌詞なのだが、出番がなくても努力を続け、今まさに実をつけようとしている2人にはこの言葉が似合う。
出番がなくても努力を続ける。
それは口で言うほど簡単なことではない。
ただ、努力を続けそれが実を結べば、その人の魅力となる。
優勝を目指す上でこの2人の活躍は必要だ。
オッパ、ソンリョンスタイル
試合直後から言われる影のMOM、我らがソンリョン兄さんだ。
開幕戦から流石ソンリョン兄さんと言わざるを得ないプレーが連発される。
まずは前半23分、相手との1対1、決定機でのソンリョン右手のグレートセーブ。
前半27分、相手のミドルシュートをブラインドもあった中、ナイスセーブ。
前半37分にも、相手の強烈なミドルシュートをナイスセーブ。弾いたボールもラインを割らずに味方が拾える位置に配球した。
前半42分、これもブラインドがある中でのスーパーセーブ。
後半5分、抜け出した相手との1対1のピンチを落ち着いて処理。ビックセーブ。
後半27分、相手CKからヘディングシュートを落ち着いてキャッチ
相手にボールを持たれ、苦しい時間帯でも決定機をことごとく防ぎ続け、流れを完全には渡さなかった。
こういうキーパーがいるとチームが落ち着いて前を向く時間ができる。これがソンリョンスタイルなのだ。
FC東京
総括
様々な影響がありフルメンバーではなかったとはいえ、安易なボールロストが多かった印象。ただ、前3人+松木で攻撃が完結できることは強み。まだ監督のやり方がチームに浸透していない様子だが、浸透すれば全く別のチームになっているため、最終節は手がつけられないかもしれない。
輝きを見せた松木玖生
今季、青森山田高校からルーキーとして加入した松木。
いきなり開幕スタメン。華々しいデビューを果たした。
基本はインサイドハーフだが、右ウイングのレアンドロと入れ替わりながら、大外からもチャンスを作り出す。
前半18分の飛び出しは惜しくもオフサイドとなったが、駆け引きが良く、出し手とのタイミング次第では脅威になるだろう。
前半25分、相手と2対1の場面。
数的優位で相手の利き足側の味方を活かしてボールにトライ、結果コーナーとなったが能力の高さが目立った。
前半27分にはミドルレンジからの強烈なシュート、これが枠に飛ぶのは本当に重要。そのあと吠えたのも気持ちが篭っていた。
前半32分、相手DFへのタックル。ルーキーとは思えない堂々としたプレー。
前半45分、レアンドロとのワンツーで右サイドを攻略、突破できればチャンスだった。
後半にもディエゴ オリベイラとのワンツーなど気持ちの篭ったプレーを見せていたが、後半27分に三田と交代。
交代時には、ポテンシャルの高さやプロとしての気迫をプレーで示したことに対して、東京サポーターから万雷の拍手を受けた。
開幕スタメンで72分間プレー、デビュー戦として十分すぎる内容となった。
見る者を惹きつける輝きを放つ松木玖生。
シーズン終盤にはアルベル東京のサッカーに欠かせないピースになることだろう。
スウォビィクの壁
新加入選手で活躍したのは松木だけではない。
ベガルタ仙台から新加入のGKヤコブ スウォビィク。
多少のミスもあったが、安定感のあるプレーで川崎に立ちはだかった。
前半17分、相手のワンタッチパスに惑わされることなく、足を動かして正面でセーブ。
キャッチ出来ればなお良し。
前半18分、自分のフィードをカットされてからのピンチ。相手がミートしなかったことでタイミングがずれたが、右手でポストに流すグッドセーブ。
後半33分、至近距離の弾丸シュートをナイスセーブ。ポジショニングで勝っていた。
相手のプレスに対する足元の技術は心もとない部分もあったが、監督の目指すボールを持つサッカーが完成すれば、あまり気にしなくていいのかもしれない。
まとめ
フロンターレにとって試練の5連戦の始まりとなる開幕戦の多摩川クラシコを制することが出来たのは非常に大きい。
内容よりもまず結果。3連覇を目指す上で、相手にペースを握られる試合もモノにしていかなければならない。そう考えた時、今日の試合は今後の基準と自信に繋がる試合となったのではないだろうか。
次節はアウェイでの神奈川ダービー。負けられない試合が続く。
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