たばこを初めて吸った

今しがた、たばこを初めて吸った。

たばこを付き合いで吸ったことは何度かある。居酒屋で誘われれば吸う。でも、たばこを吸っている感覚はどこにもなかった。

大学四年生になって、思うことが色々あった。将来のこと、友人のこと、卒論で書いている遠い誰かのこと、お祭りのこと、自分のこと...あっという間に過ぎ去っていった。

とにかく眠れなかった。世間的には寒い、とでも言うのだろうか。バイトが終わってクタクタなはずなのに、得も言われぬエモい感情に、言葉にできないなにかに押しつぶされそうになった。

蒼穹のファフナーを見たからだろうか。angelaの「愛すること」を聞いたからだろうか。おかき大明神さんが書いたnoteを保存していたのを読んだからだろうか。今日リツイートで見たなにかの文章を読んだからだろうか。

夜のベランダで吸うたばこは優しかった。火を自分でつけるのに少し手惑い、何度かたばこに火をつけたがうまく付かなかったし、最初はやはり吹かしているだけだった。思えば今年は誰とも花火を見に行かなかった。たばこの火は優しく、今まで見てきた火の中で一番キレイに輝いていた。煙はいつまでも自分に寄り添ってくれていた。夜空に輝くオリオン座も独占した。

大学生活でなにかを残せただろうか。自分は何者かになれているのだろうか。進路の先になにが待ち受けているのだろうか。次々と湧いてくる思考を麻痺させるかのように、全身に何かが駆け抜けていった。

悪い印象ばかり与えられているたばこだが、孤独に静かに寄り添ってくれると感じた。


汚れっちまった悲しみに
いたいたしくも怖気おじけづき
汚れっちまった悲しみに
なすところもなく日は暮れる……