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最近の1日(家族編)

私には今年94歳になる曽祖母がいる。

今までは正月に年に一度だけ会っていたけれど、今日はおそらく最後になるであろうさよならをするために目黒まで会いに行ってきた。

ここ一年で急激にボケてしまい、今月から施設に入ることになったのだ。

施設に入るとコロナで面会ができなくなる。
きっと今日が生前最後に会った日になると思う。

五百羅漢でお参りを済ませ、曽祖母が一人で暮らしているマンションに向かった。

母は6年ぶり、私は1年ぶりに曽祖母に会った。

曽祖母は母に向かって「まぁ大きくなったねぇ」と言った。
もう40歳なのに。

部屋に飾ってある私の小さい時の写真を見て、「これ誰だろうねぇってみんなで話してたの」と言った。
目の前に本人いるよ。

義理の息子である私の祖父が訪ねても、次の日には「昨日は知らない背の高い人が来た」と言うらしい。
40年以上も前から家族なのに。

こうやって人って老いていくんだなぁ。
新しいことは全部忘れてしまうんだなぁ。

あと20年経ったら私の大好きな祖父母も、私のことが誰だかわからなくなっちゃうのかな。

それって、すごく悲しい。

突然やってくる死も悲しいけど、自分を忘れられてしまうことも同じくらい悲しいし、むしろそっちの方が残酷。


中学校一年生で母親が再々婚するまで、父親だった人たちと過ごす時間は少なかったけれど、その分祖父母と過ごす時間は他の家庭よりたくさんあった。
仲が良いを通り越して数年前から反抗期に突入している。

けれどもそんな祖父母との時間も限られてるのだと、完全にボケてしまった曽祖母を見て痛感した。


子供が欲しいなんて全然思わなかったけど、
やっぱりひ孫の顔見せてあげたい、かも。



p.s.
そんな祖父は今日車を止めてた雅○園の駐車料金をチャラにするために、「結婚式の下見に来た」って受付に言って駐車券のスタンプ押してもらってた。
72歳なのに…結婚式の下見って。

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