夜に歩く
今日、残って仕事してたのは私だけだった。いつも閉じているブラインドを外が少し見えるように開いて、体が窮屈にならないように気を付けた。
定時に仕事を終えられなくて切羽詰まって、情けなくて、少しでも油断すると泣いてしまいそうだった。ブラインドの隙間からでもいいから外の景色をちゃんと目で捕らえて、いつでも息を吐き出せるようにしておいた。
茜色から薄紫、段々と濃紺から黒。作業を夢中に進めていくと、窓の外の色はすぐに夜になる。
空の色と同じように、木々の葉もわさわさと葉が広がり、黄緑色から濃い緑に様を変えていく。この季節、大好きな定禅寺通りはさらに好きになる。
そして、今日感じた色んな嫌な感情は一旦リセットして、明日に続く。