見出し画像

ノーツのサポートが終わるというけれど。。。

 IBM社から発売されHCL社に移管されていたNotes/Domino 9とV10が2022/12/01に販売終了しました。IBM社は短くても2021/09末まではサポートすると言っていたそうですが、サポートは2024/06/01まで継続されるそうです。
 HCL社からは後継で上位互換があるNotes/Domino V11、V12、V14が発売されています。また2013年にNotes/Domino 9が発売されて10年もたつことを考慮すると、IBM社から発売されたノーツのサポート終了は妥当かなとおもいます。ユーザー側はバージョンアップすれば最新のセキュリティを維持できますし、新機能を使うこともできます。
 バージョンアップ(マイグレーション)で伝統的なノーツの機能が動かなくなるというのはあまり聞きません。変化が激しいWebまわりではバージョンによって変更が必要になると聞きます。

 ノーツのお仕事をしているとノーツ撤退の案件に出会うことがあり、さびしい気持ちになることがあります。
 ノーツの移行先には、電子申請(ワークフロー)ではMicrosoft 365やSalesforce、メールや予定表ではOutlookやkintoneが選択されることがあります。うまく移行できるものがある反面、「それは違うかな」いうものがあります。それぞれの長所を生かすように色々使い分けるが正解かもしれません。

 移行してみて『ちょっと』とわたしが個人的に感じたことがありますので少しだけ列挙します。
・今まで申請したものが真っ先に表示されない。ノーツではビュー(データ一覧)が真っ先に表示される仕様で、データアクセスのためにクリックする回数が少なかった。
・わたしが必要とするデータをわたしが自分で選べない。ノーツでは個人ビューを誰でもどこでもつくることができ、必要なデータだけが一覧表示されるようにすることで必要なデータへのアクセスが速かった。
・データ一覧の表示が遅い、データが増えてくると本当に遅い。ノーツはビューにキャッシュを標準で持っているためデータが多くても遅くなりにくい。
・更新頻度が高いデータベースのアクセスが遅くなりにくいかも。ノーツではデータが更新されるたびにビューのキャッシュを更新する負荷がかかる。
・色々な申請書がひとつの画面にごちゃっと集まりわかりにくい。ノーツではアプリ毎ビュー毎に別々の画面で整理して表示されるのがふつう。
・送受信したメールが同じ画面に表示されない。ノーツでは『すべての文書』ビューがあり、時系列ですべて表示される。
・過去のメールをまったく削除しなくてもよくなった。ノーツではサイズ制限がある。
・どこをどのように操作すれば良いのかわかりにくい。ノーツは表示の制約(お仕着せ?)があるため、統一した操作感があって覚えやすかった。
・移行を短期間におこなうため、移行先は作り込まれておらず使いにくい。業務のパフォーマンスは明らかに悪くなる。
・移行期間中は新旧両方のシステムが稼働するため負担が大きい。

 また「ノーツをやめる」ことを大々的に公言する案件に出会うと「ちょっと違うよね」とおもいます。
 これからの長期間、ノーツにかわる新しい何かを使うのですから「これからどんな素晴らしいことをしようか」というところにちからを入れるべきかなとおもいます。
 それでも「ノーツをやめる」ことにちからを入れなければならないというのでしたら、ノーツにはユーザーを引き付ける何かがあると考えてもよいのかもしれません。

 さてエンジニアとしてのわたしがあげるノーツの使い道は、アイデアや何とかしたいこと、業務日誌ほかのメモ書きをひとつのデータベースにぶち込んでおいて、困ったときに検索で呼び出すことです。自由な文書を入力しておいて検索で発見できるのはノーツの利点だとおもいます。
 インターネットにメモ書きを公開して検索エンジンで検索するという方法もありますが、セキュリティが皆無なのでおすすめできません。
 ノーツが使えない環境では、Windowsのテキストファイルで大量のメモファイルを作成して、フォルダの検索機能でファイル内容を検索します。ファイルが多くなるときちんと検索できないことが多くなります。
 検索がきちんと使えるのがノーツの利点なので、そういう道でこれからも使われていくと嬉しいです。

 ノーツ/ドミノはロータス社からIBM社を経由してHCL社へとかわりました。日本では1993年にノーツが発売されて2023年で30年になります。この長いあいだに新機能が追加されてきていますので、色々できてしまう製品になっていると感じます。使い道をひとことで言い表せないのが残念なソフトウエアです。

 カミュプリィではノーツシステムの構築・維持管理・パフォーマンスチューニング・アプリ開発・サポートなど、ノーツ/ドミノ関連業務をおこなっています。週1日程度の案件でも対応することができます。
 HCL社のパートナーになっていますので、お客様にかわってHCLテクニカルサポートへお問い合わせすることができます。
 ご質問・ご用命はカミュプリィのホームページ(下のリンク)にあるお問い合わせからお願いします。まずはメールやオンラインミーティングから始めましょう。


この記事が参加している募集

#仕事について話そう

110,083件

サポートいただければ、記事をもっと充実することができます