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劇場で”味わう”既成戯曲・第一弾!

IN SITU × KAIKA
既成戯曲の演出シリーズ Vol.1
『アルカディア』

原作:"ARCADIA" by Tom Stoppard


作:トム・ストッパード
演出:大石達起(IN SITU)


【既成戯曲の演出シリーズ】
KAIKAでは開館以降、新しい創作の機会として、本気の試演会「gate」を開催してきました。2018〜2019年度は、大石達起が「既成戯曲の演出」をテーマに掲げて、gateディレクターを担当しました。
その発展版として、2021年度から、「既成戯曲の演出シリーズ」の上演を開始。Vol.1は、大石D自身が演出を担当します。
KAIKA webサイト:http://www.ftas.info/kaika/

【アルカディア あらすじ】
著名な詩人バイロンが⻑逗留している、19世紀の英国貴族の屋敷。そこには、魅力的な女主人、天才的頭脳の令嬢、皮肉な家庭教師、三流詩人と浮気な妻、大佐、執事と庭番などあらゆる人間の織り成すカオスな関係が渦巻く――。
ある時、屋敷の庭園の設計図に、トマシナは何の気なしに書き込みをしてしまう。その行動が、約200年の時を経た世界に大きな波紋を広げることになる。現代のバイロン研究者らはその謎を解き明かせるのか。はたして決闘で死んだのは誰? 隠者の庵で終生過ごしたのは? トマシナの書き残した理論の意味は?
同じ屋敷を舞台に、二つの時代の人々のドラマが交錯し、ある思いもかけない「真実」を浮かび上がらせる。
早川書房webサイトより)


【演出より】
「となると、新ニュートン主義の宇宙は必ず終末を迎え、冷たくなってしまうことに。(中略)全ての神秘が見出され、全ての意味が失われてしまうと、我々人間は何もない海辺に取り残されてしまうだろう!」
「そうなったら踊ればいいじゃない。」

 『アルカディア』は文学・数学・造園学など、多くの知識をもって描かれた戯曲ですが、その根底にあるのは【愛と死】であると僕は考えています。

 「熱いお湯は冷めて水になるが、水は自然にはお湯にならない」という不可逆に関する現象は、熱力学第二法則と呼ばれています。物理学者のヘルツホルムは、これを宇宙に適用すると、いずれこの宇宙は熱を失い、熱的死を迎えると提唱しました。計算機もない時代に、自らその答えにたどり着いた少女トマシナは、明るく「そうなればワルツを踊ればいい」と言ってのけます。
 熱力学第二法則の不可逆性は、まさに今、コロナ禍以降のこの時代を象徴していると思い、トマシナの言葉に僕は大きな希望を感じました。

 今、僕たちがすべき事は、彼女たちのように“ワルツを踊る”ことじゃないだろうか。こんな時代だからこそ、この【愛と死】の物語を、ポジティブなエネルギーを原動力に創作したいと思っています。

大石達起

3人縦 2

(撮影:高田晴菜)

【日時】
2021年 8月
13日(金)18:00
14日(土)13:00/18:00
15日(日)13:00

【会場】
THEATRE E9 KYOTO
(京都府京都市南区東九条南河原町9-1)

【出演】
阿僧祇(白河夜船)
高橋紘介
伊藤彩里(gallop/カイテイ舎)
土肥嬌也
上条拳斗
大山渓花
勝二繁(日本海/およそ三十世帯)
藤村弘二
岡田眞太郎(劇団トム論)
横山清正(気持ちのいいチョップ)
川﨑祐輔(劇団つちの娘)
黒木陽子(劇団衛星/ユニット美人)

主催:一般社団法人フリンジシアターアソシエーション
   IN SITU
提携:THEATRE E9 KYOTO(一般社団法人アーツシード京都)
made in KAIKA

【問い合わせ先】
電話:075-344-8970(一般社団法人フリンジシアターアソシエーション)
メール:acs_kaika@ftas.info

※チケット情報など、詳しい情報は、順次お知らせいたします。

※本公演は、新型コロナウイルス感染症への対策を講じた上で実施いたします。
※情勢により、公演情報に変更が生じる場合がございます。その際は随時お知らせいたします。


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