考えろ

考えろ。考えて、考え抜け。どうすれば、一番いいのかを。

これは映画『青の炎』で、主人公秀一が養父の暴力から家族をいかにして守っていくかを血眼になって模索しているときの台詞である。
彼は考えに考え抜いた末、父親を殺す完全犯罪を企てる。彼はまだ17歳で、あどけなさすら残る少年だった。

犯罪、ましてや殺人は紛れもない重罪であり、とても許されるべきことでは無い。けれども極限に立たされた少年が、ただ平凡な幸せを得ようと下した決断は、あまりにどうしようもなく切ない。

どうにもならないことが、この世の中にはある。けれども決められたルールが常に正しく、我々を守ってくれるとは限らない。

物語の中だけに留まらない。「尊属殺重罰事件」は、憲法をまで揺るがした。

考えることは時に楽しい。しかし往々にして、疲れる。考えすぎたあまり考えることをやめた者さえいる。

けれども、やはり大事なのは、"自らの頭で思考すること"これに尽きるのでは無いかと思う。

声を上げること、とても素晴らしい。大きな声は世を動かす。常に冷静でいることが平穏をもたらす訳では無いことも、今なら分かる。

しかし、だからこそ単なる同調圧力の海にいとも簡単にのみこまれてしまうのではないかという恐怖が最近大きい。

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