苦手な音だけを直すのは無理

発音のレッスンを初めて受ける人たちから、
RとLの違いを教えてください」
THの正しいやり方を教えてください」
という希望がよく出ます。
それまでに通っていた英会話教室の先生から、Rができていないとか、THができていないという指摘を受けたという人もいます。

RができないのもTHができないのも、英語の発音の基礎を知らないからです。なので、基礎を抜かして一部の音だけ直そうとしても無理です。
これがまず、いくらやってもうまくできない第一の原因。

音声の基礎が似ている欧州語圏の人たちは、見様見真似でもある程度の発音が身に付きます。でも、声の出し方から呼吸まで全く異なる日本語圏の人は、英語の音をカタカナで理解して真似しようとするから「カタカナ発音」になるわけです。まずこれを直さないと、何をやっても頭打ちになります。

「Rは巻き舌」「Lは舌が顎に付く」などと覚えても、実際に出てくる音は両方ともカタカナのラ行にしかなりません。これは筋肉の使い方が日本語用になっているからです。

THができないのも、カタカナの筋肉では歯と舌を使った動きは不可能だからです。

そしてまた、それぞれの音をばらばらに覚えても、実際の単語や文に使ってみると元に戻ってしまいます。これも総合的な発音の基礎を知らないからです。

日本の英会話学校で、多くのマニュアル講師がやたらとRとTHにこだわるのは、そうすると商売がしやすいからです。実はRとTHができなくても英語は通じます。通じないのは他の面で色々な問題があるからです。

個々の音の練習はまず基礎知識を頭に入れてから。


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