英語で考えをまとめる方法

前にも書いたことがありますが、私はかつてTOEFL準備講座で読解と作文を教えていました。作文の問題はこんな感じです。以下は引用。

If you could change one important thing about your family, what would you change? Use reasons and specific examples to support your answer.
家族に関して、何か重要なことをひとつ変えられるとしたら、何を変えたいか。

自分で考えをまとめて文章を書くというのが英語環境の試験問題。ここで大事な点は以下四つ。

①結論を最初に書く。
②理由と具体例を挙げて客観的に書く。
③採点基準になるのは文章の説得力。意見そのものは関係ない。
④文章を長くするために余計なことを書かない。

この四点はTOEFL以外でも作文や議論の基礎として大切です。

If you could change one important thing about your family, what would you change? 

実は答えは何でも良いのです。あなたの意見は採点対象にはなりません。但し、ここで
「えーと、家族ではないんですが、隣の人が…」
「まあそんなに重要ではないんですが…」
「変えたいことは二つあります
とかいうのは即減点です。文法がすべて正しかろうと関係ありません。

質問と違うことを答えてはダメ。
話が逸れてはダメ。
問題をちゃんと読みましょう。

これは人の話をちゃんと聞く習慣にもつながっています。慣れてない人はいきなり長い文章を書き始めるとすぐ話が逸れますから、まず箇条書きで、現在の問題点を考えます。しつこいようですが、話が逸れていない限り何でも良いのです。余計な個人情報を開示する必要はありません。

Our house is old.
We don't have dinner together on weekdays.
I argue a lot with my parents.
My parents don't respect me as an adult.

下の二つは書いているうちに感情的になりやすいので、考えをまとめるのはやや困難です。作文の練習だったら上の二つが楽でしょう。話題の選び方はこの程度で良いのです。

質問は「何を変えたいか」なので、簡単に答えるなら
I would like to renovate our old home.
I would like us to have dinner together on weekdays.

文を二つつなげたら
Our house is old. I would like to renovate our old home.

もうちょっと何か足したいと思ったら、たとえば以下のような補足ができます。ここで重要なのは、余計な話題を足さないこと
If I could choose just one thing to improve our family life, I would renovate our home because it's old.

問題文には「Use reasons and specific examples to support your answer」と書いてありますが、そのうちの「理由」はもう書いてありますね。次はその答えの根拠となる具体例を書きます。これも話が逸れなければ何でも良いのです。

暗い:dark
汚い:looks dirty
窓枠が緩い:The windows don't close tightly
床がきしむ:the floors squeak
お風呂場が寒い:the bathroom is cold
いつも何かが故障している:something is always broken
趣味が古い:looks dated

具体例は3つぐらい選んだ方が良いです。選んだら詳しく説明します。説明もまあ3つぐらい情報を含めてみましょう。

Looks dirty: the wall coverings are stained, the carpets are discolored, the kitchen is greasy
The floor squeaks: when someone walks on the second floor, stands up from a chair, or gets up in the morning
Something is always broken: water leak, no hot water, door gets stuck

ぜんぜん立派なことは書いてありませんが、これで良いのです。しつこく言いますが、大事なのは話が逸れないことだけです。書きながら頭に浮かんだ、古い壁紙を買った時の思い出を書いたりしてはダメですから気を付けてください。

そして最後に、家が綺麗になったらどんな良いことがあるかも付け加えます。

If I could update our house, my parents wouldn't have to worry about constant repairs, and we would look forward to coming home every day to spend more time together, enjoying dinner in our kitchen and relaxing in our living room. 

文章を長くするには、情報を詳細にすること。新しい話題を足さない
短くするには、要点の部分のみを残すこと。肝心な部分を削ってはダメ

この書き方は誰かに何かを説明する場合にも、商談や交渉の際にも、学術論文を書く時にも、小学生が作文を書く時にも、あらゆる場面で有効ですからぜひ練習してください。

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