聞き取りの難易度

英語の聞き取りを難易度順に並べると、以下のとおりです。一番易しいのが⑩、難しいのが①です。

⑩教科書の音声
⑨英会話教室の先生の話
⑧英検やTOEICの音声
⑦TOEFLの音声、日本人の多い国際会議
⑥英語圏のラジオ番組
⑤英語圏のテレビのニュース
④英語圏のテレビドラマ、アメリカ人だけの会議
③英語圏のコメディ、トークショー
②映画
①日常会話、歌詞

⑦から⑩までは「外国人向きの特殊な英語」です。英語圏で生活するには役に立たない水準と思ってください。日本で勉強しながらこの水準を脱するには、勉強の仕方を本格的に変える必要があります。

⑤と⑥が理解できれば、大学の授業や国際会議の研究発表にはなんとか対応できます。努力家の人なら日本でCNNやBBCを毎日聞いて、この水準に近づくことが可能です。でも日常会話や討論を理解するのはまだ無理です。

最難関は①から③です。ほとんどの人は「日常会話が一番簡単」だと思い込んでいるのですが、実は逆なのです。

正式なスピーチやニュースの音声では、すべての音がかなり正確に聞こえます。特に視覚に頼れないラジオの音声はわかりやすさが不可欠です。なので、教科書英語を最初に習った外国人には最もとっつきやすいのです。

日本語でもそうですが、日常会話は理論や文法に基づいて組み立てられてはおらず、子供の時からの慣れによる条件反射です。教科書英語の頭では全く理解できません。大人になってから英語圏に来た人は、何十年住んでも慣れだけでは追いつけません。

人の話を聞いて理解することは意思疎通の基本です。これができないと誠意のない人と誤解されたり、勉強する気がないと思われたり、周りのみんなが盛り上がっているのに取り残されて辛い思いをしたりします。自分で話す練習を始める前に、まず人の話を理解する練習を重ねましょう。学習速度を上げるためには、初歩のうちから勉強の方法を根本的に変えることが不可欠です。

NYC・大阪・東京ワークショップ

ニューヨークの通訳者が教える英語







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?