読解で迷った時の攻略方法

私はかつて、TOEFL受験準備講座で読解と作文を教えていたことがあります。その時に受講生から「私は飽きっぽいので、読解問題を読みながら他のことを考えてしまいます」と言われたことがあります。飽きてしまう原因は面白くないことで、面白くない原因は理解できないことです。理解できないものは面白くありません。そこで以下のような悪循環が発生します。

わからない → 面白くない → 飽きる → 気が散る → わからない

こういうときには、部分的にでも良いので理解できる部分に注目し、そこから前後関係をつなげていくのが集中力を保つ秘訣です。以下の文を、単語ひとつひとつで立ち止まらずに、最初から最後まで通して読んでみてください。これは高校生向きの試験問題です。

Describe a situation in which an event that you had especially not looked forward to turned out to be the opposite of what you had expected. 

ほとんどの人は、途中で止まって戻りたくなるはずです(一回さらっと読んですっきり全部理解できた人は、もっと複雑な契約書や免責事項などの文章に挑戦してみてください)。

こういう長い文は、それぞれの単語が他の部分とどう関連しているかが理解の鍵になります。まず最初の部分は、試験問題なので命令形。
Describe a situation(状況を説明しなさい)

 次のin whichで「うわーっ」と思って止まってしまう人が多いのですが、これはsituationについて次に説明するための前触れです。大したことはありません。

Describe a situation in which(以下の状況を説明しなさい)
an event that you had especially not looked forward to turned out to be the opposite of what you had expected.  

残りを整理するためには、まず名詞を探します。
an event that you had especially not looked forward to
turned out to be the opposite of what you had expected.  

次に動詞を探します。
an event that you had especially not looked forward to
turned out to be the opposite of what you had expected.  

次に理解できる部分を拾い、何と繋がっているのか考えます。
an event that
you had especially
not looked forward to
(あなたが特に嫌だと思っていたこと)

turned out to be (結果としてこうなった)
the opposite of 
what you had expected.
(あなたが期待していたことと逆)  

試験問題は条件を細かく説明するために長くなることが多いのですが、文の骨格は以下のとおりです。
Describe an event you didn't look forward to
that actually turned out to be favorable.
おそらくTOEFLの問題だったらこの程度の表現になっていると思います。

教科書の例文でなく、実際の英語圏の文章を読むと、知らない表現が色々と出てきます。そういう時もGoogle検索で「turned out to be」などの調べたい表現に「meaning」をつけて「turned out to be meaning」と入力するとたくさん情報が出てきます。辞書や文法書より速いので、とにかくオンライン検索を利用してください。

最初だけは英語で文法の説明を読んでもわかりにくいので、日本語の文法書は一冊持っていた方が良いでしょう。私のお勧めは学研の英文法詳解です(情報が多くて説明が短いので読む時間がかからない)。でも最初の難関を突破したら、できるだけ早く英文法を英語で理解する習慣をつけましょう(それから、日本で売っている教科書の例文は、規則としては正しくても表現として一般的でないことが多いので、頭に入れない方が良いです)。

一般的な表現が頭に入っていると、話をする時も言葉に迷わなくなります。会話の上達にも読解と作文は欠かせません。ぜひ色々な方面から勉強を続けてください。

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ニューヨークの通訳者が教える英語

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