ケトルベルのこと (viii) ボトムアッププレス 20kg に震える
ケトルベルにはさまざまな使用法があって、やかん形状のケトルベルを逆さにして保持し、そのまま挙上するやり方もある。ボトムアッププレスという。
当然、不安定である。バランスをとりながら頭上へ押し上げるのだ。そこそこの重量ある鉄の塊なので、安全面にも配慮が必要である。
一方、不安定であるがゆえに、意識して鍛えることが難しい不随意筋も、同時に鍛えられるという。
ケトルベルインストラクターの方がいうには、ふだん使っているものよりも1段階か2段階軽い重量のものでやるのが適当とのこと。
僕がふだん使いしているケトルベルは20キロなので、常識的には16キロか12キロのものを用いるのがよい(ケトルベルの重量は基本的に4キロ刻み)ということになる。
しかし、わが家にあるケトルベルはこれのみである。選択肢は他にないのだ。
20キロはけっこう重い。ばかにできない重量である。不安定な形で持ち上げようとすると、腕が震えて鉄球のバランスが保てない。
反省のためにと動画を自撮りしたのだが、後で見返して、うわっこのひと危なっかしい、と独り肝を冷やした。
とはいえ、何度か試しているうちに、胸元、クリーンのポジションで保持できるようにはなった。
下腹の内圧を高めるようにして、体内の張りを意識しつつ、思い切って持ち上げる。えいや。
ボトムアッププレス、挙上完了である。
ここから胸元の位置に戻す。
挙上したケトルベルをふたたび胸元のクリーンポジションに戻す。持ち上げるときよりも、戻す動作の方が難度が高いように感じられた。
右腕でなんとかやってのけたのだが、正直、1度の挙上でいっぱいいっぱいである。
この後、左腕でも試したが、胸元の位置で鉄球のバランスを保つだけで限界が来る。ここから上げようとしても、ケトルベルのバランスを保てない。ブルブル震えて危ない。鉄球のバランスを保つには相応の筋力が要るのだ。
左右の腕で、これほどまでに筋力の差があることに我ながら驚いた。
いざやってみて感じたことは次のとおりである。
・腕の力だけでやろうとすると逆さのケトルベルが安定しない。
・むしろ腕は脱力気味で、下半身の力、下腹の内圧を意識して行うことが大切のように思える。
ところで、先人のお手本を参考にしようとYoutubeを探したところ、48キロのボトムアッププレスをやっている人がいて、想像を超えた世界があると思った。
さらには60キロをやってのける人までいて、もうふざけるなと思った。
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