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#ゲーム 記事まとめ

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noteに公開されているゲーム系の記事をこのマガジンにストックしていきます。コンソール、PCなどのビデオゲーム、ソーシャルゲーム、ボードゲームなど。
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2017年6月の記事一覧

『アはアーケードのア』 第22回『モトス』(1985年 ナムコ)

当時行なった『モトス』プログラマへのインタビュー  今回はちょっと特殊な形になるのですが、昔ぼくが取材した『モトス』のプログラマ松浦公政さんへのインタビューをアップします。都内のナムコ直営ゲームセンターで配布されていた「きゃろっとくらぶ」という手書きの情報誌に掲載されたショートインタビューです。拙いインタビューでごめんなさい。少し文章を直しています。 Q1. 松浦さんといえばグロブダーのプログラマとして有名ですが、モトスの企画の岡田さんはどんな経歴の持ち主なんですか? A

『アはアーケードのア』第21回『ラリーX/ニューラリーX』(1980/1981年 ナムコ)

 久々の『アはアーケードのア』です。ずっと五十音順に書いていたのですが、な行に入ったところで悩んだのでいったん逃げて、とりあえず書きたいものを書きます。おかしな点があればご指摘いただけると幸いです。 衝撃的だった4方向スクロール 『ラリーX』はマイカーを操作して、縦横にスクロールする広い迷路空間で敵車の追跡をかわしながら10箇所のチェックポイントを回る、疾走感あふれるドットイート系ゲームです。翌年には難易度などを調整した『ニューラリーX』が発売されています。  ぼくはこの

『アはアーケードのア』 第20回『ドンキーコング』(1981年 任天堂)

“ジャンプ”の概念を取り入れた最初期のゲーム ジャンプを駆使して、さまざまなトラップを抜けてゴールを目指し、コングにさらわれたレディを救い出せ――任天堂・宮本茂さんの最初期のディレクション作品にして、マリオ初登場作品であり、ジャンプアクションものの源流の一つといえるゲーム、それが『ドンキーコング』です。  ジャンプアクションというシステムは、黎明期のゲームが生んだ最大の発明の一つです。重力の概念と相まって、“ジャンプ”そのものに既にゲーム性のベースが内包されているといっても

『アはアーケードのア』 第17回『ちゃっくんぽっぷ』(1984年タイトー)

“蟻の巣のような迷路”と“爆弾”と“愛(?)”のゲーム幽閉されたハートを取りもどすため、敵もんすたの巣窟にちゃっくんが潜る。天井への張り付き移動をうまく使い、爆弾を左右に転がして敵をやっつけ、ハートが閉じ込められた檻を破壊し、脱出せよ。それが、迷路アクションゲーム『ちゃっくんぽっぷ』です。ぼくの大好きなゲームです。  『ちゃっくんぽっぷ』の見た目の大きな特徴は、その蟻の巣のようなマップです。迷路にあまりグリッド感がなく、非常に不規則な形状になっています。とはいっても、1ch

『アはアーケードのア』 第14回『ゼビウス』(1983年/ナムコ)

ゲーム史において時計の針を大きく進めた作品 地上と空中を撃ち分けて進んでいくゲームシステム、無彩色のグラデーションで表現されたメカニック、絵巻物のように進んでいく背景、神秘的なSE、バックストーリーを感じさせる謎めいた世界観と数々の隠し要素……『ゼビウス』はその後のビデオゲームに大きな影響を与えた黎明期の傑作です。  『ゼビウス』を初めてプレイしたとき、じつに不思議な気持ちになったことをよく覚えています。最初に飛んでくるトーロイドの幾何学的なデザイン、敵の撃破音とは思えない

『アはアーケードのア』 第12回『シンドバッドミステリー』(1983年セガ)

地中に埋まった宝箱を掘りあてるアクションゲーム 『シンドバッドミステリー』は、俯瞰の固定画面による宝探しアクションゲームです。敵をうまくかわして、穴を掘って迷路のどこか一か所に埋まっている財宝を見つけ出すという遊びです。  プレイヤーのシンドバッドは、穴を掘ることで、財宝を見つけ出すほかにも、道を封鎖して敵を足止めすることもできます。ただし、穴のあるところは自分も同じように移動できなくなります。一度掘ったところを再度埋めることもできます。 宝の地図をヒントに効率的に見つけ

『アはアーケードのア』 第10回『コスミックゲリラ』(1979年ユニバーサル)

“ゲリラ”から砲台を守れ! インベーダーブーム直後のゲーム『コスミックゲリラ』とは? 『コスミックゲリラ』は、時期的にはポストインベーダーを目指したあまたの製品の一つです。発音としてはコズミックだと思うのですが、当時の表記に合わせてコスミックで進めます。  画面中央に並んだプレイヤー砲台(のストック)を奪いに左右からやって来る敵ゲリラを撃破していくシューティングゲーム、それが『コスミックゲリラ』です。敵も弾を撃って攻撃してくるので、それも避けないといけません。つまり、砲台を

『アはアーケードのア』 第9回『ゲイングランド』(1988年セガ)

傑作『ゲイングランド』3つの特徴『ゲイングランド』は俯瞰視点の固定画面ゲームです。さまざまな性能を持つ20人のキャラクター(3人からスタートし、捕虜を奪還することで増えていく)を使いわけて、画面に配置された敵、もしくは途中から出現する敵をせん滅していきます。  『ゲイングランド』第一の特徴として、当時にして20人ものキャラクターが登場することが挙げられます。なかには一見すると性能の差異がかなり小さく見えるキャラクターもいます。でも、やり込んでいくとその緻密なゲーム性において

『アはアーケードのア』 第8回『グロブダー』(1984年ナムコ)

 地味だが秀麗、何物にも似ていないゲーム『グロブダー』は近未来の戦闘競技“バトリング”を題材とした戦車戦ゲームです。『ゼビウス』『ドルアーガの塔』などで知られる遠藤雅伸さんのディレクション作品です。  『グロブダー』は商業的にはあまり成功した作品ではないかもしれませんが、ぼくはこのゲームが大好きです。ゲームシステムがコンパクトに完結していて、作者のストイックでサディスティックともいえる独特のセンスが強く出ていて、そして他の何物にも似ていない。秀麗なゲームです。  ステージ

『アはアーケードのア』 第6回『カンガルー』(1982年サン電子)

その名のとおり“カンガルー”が主人公という特異なゲーム 『カンガルー』はいたずら猿に捕まった我が子を救うべくママカンガルーが奮闘する、固定画面タイプのジャンプアクションゲームです。  『カンガルー』は基本的に『ドンキーコング』の亜流といえます。違いとしては、マリオとレディの関係がカンガルーの母子に変わっていて、コングの代わりに無数の猿軍団が邪魔をしてきます。また、一つしかないボタンがパンチに割り当てられているので、ジャンプはレバーで行ないます。  操作感としては、主人公カ

『アはアーケードのア』 第5回『オメガファイター』(1989年UPL)

伝説のゲームデザイナー“MTJ”の移籍後第一作 『オメガファイター』は、MTJこと三辻富貴朗(みつじ ふきお)さんがディレクターを務められた、独特のパワーアップシステムを持つ縦スクロールシューティングゲームです。  三辻さんは『ハレーズコメット』『スーパーデッドヒート』『バブルボブル』『レインボーアイランド』『ヴォルフィード』『サイバリオン』『マジカルパズルポピルズ』など数々のユニークな作品を世に送り出したゲームデザイナーです。その後、個人でゲームスクールを主宰するなどの活

『アはアーケードのア』 第4回『エグゼドエグゼス』(1985年カプコン)

当時まだ珍しかった“協力型”の2人同時プレイゲーム 『エグゼドエグゼス』はカプコン初期の縦スクロールシューティングです。当時、同社に在籍されていた岡本吉起さんがディレクションされていました。敵が昆虫型メカで、パワーアップ要素の他、敵弾を消し去る“クラッシュ”や、敵をフルーツに変えてしまう“Pow”などが印象的なゲームです。  『エグゼドエグゼス』には、当時としてはまだ少なかったマルチプレイ(協力型の2人同時プレイ)が搭載されていました。プレイヤーとしては遊びが広がり、店舗と

『アはアーケードのア』 第1回『アルカノイド』(1986年タイトー)

その傑作は『ブレイクアウト』から生まれた 不定期で昔のアーケードゲームの思い出を書きます。題して「アはアーケードのア」。古い話なので興味がある方だけ読んでいただければうれしいです。基本的に記憶を頼りに書いているので、誤りがあったらご容赦ください(ご指摘いただければ幸いです)。  『アルカノイド』を語る前に、まずはその元となった「ブロック崩し」の話から。  ブロック崩しの正式名称は『BREAK OUT』(ATARI社)。ごく初期のアーケードゲームです。当時としては画期的で、

『アはアーケードのア』 第2回『インビンコ』(1979年セガ)

亜流インベーダーのなかでも一線を画す一作 第2回は『インビンコ』(1979年セガ)、インベーダーゲームの亜流作品です。当時発表されたあまたの亜流インベーダーの中でも、ブーム末期に出た製品の一つです。  『インビンコ』は、基本的にはインベーダーをベースとしています。マイシップを左右に動かし、上から侵攻してくるインビンコ軍団を撃破していくというシューティング物です。一般的なインベーダー系との大きな違いは、敵隊列が1段ごとに別々に横移動する点にあります。  そもそもインベーダー