マガジンのカバー画像

#海外文学のススメ 記事まとめ

143
お題企画「#海外文学のススメ」に投稿された作品をまとめる公式マガジンです。
運営しているクリエイター

#批評

Luis Poirot “NERUDA: Retratar la Ausencia”(パブロ・ネルーダ写真集)

1971年、ノーベル文学賞の受賞記念としてパブロ・ネルーダの自宅で開かれた夕食会。そこに招か…

既視の海
11か月前
27

「誰が正しいのか」よりも知りたいのは——トーベ・ヤンソン『誠実な詐欺師』、日高敏…

拝啓 夏の忙しい日々が、ようやく終わりました。のびた髪を切り、傷んだ靴を新調し、ゆがんだ…

既視の海
1年前
29

書かれた言葉ほど、書いた人の不在を感じるものはない——ダヴィド・フェンキノス『シ…

拝啓 半夏生に大雨はつきものですが、災害の報に胸が痛みます。あなたが暮らす地方はいかがで…

既視の海
1年前
15

ひとつの瞬間は永遠になりうる——ローベルト・ゼーターラー『ある一生』【書評】

1931年の冬の日、オーストリア・アルプスの麓で、壮年のエッガーはふとした予感から、山小屋で…

既視の海
1年前
8

エスプリのきいた愛の物語——ダヴィド・フェンキノス『ナタリー』【書評】

拝啓 足早に2月が逃げ去っていきます。忙しいとは心を亡くすことだとは、よく言ったものです…

既視の海
1年前
6

つづれ織りのような人生と文章——パスカル・キニャール『約束のない絆』【書評】

拝啓 東京も明日は雪が降るというのに、今日は穏やかな青空がひろがっています。暖かさにくる…

既視の海
1年前
3

【書評】トルーマン・カポーティ『夜の樹』

冬の日に楽しめると勧められて初めて手にしたトルーマン・カポーティ『夜の樹』。短編集は彩り豊かなものだと思っていたが、読んでみると白い雪と夜の闇に囲まれたモノクロームの世界だった。 初老の未亡人であるミセス・ミラーが雪が降るなか出かけた映画館で出会った少女の名前をタイトルにした『ミリアム』。シルバーホワイトの髪に華奢な身体をしたミリアムが、風変わりなところを気にしながらも、ちょっとの親切心を働かせたばかりに、それからミセス・ミラーの孤独な生活にミリアムと恐怖がじりじり足を踏み

“Annam”をフランス語で読む

正月早々、荷物が届いた。発送元はフランス。 クリストフ・バタイユ著、辻邦生訳『安南 愛の…

既視の海
1年前
5