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好きだった絵とWebデザインを掛け合わせ、noteで発信!書籍化につなげた、湊川あいさんの活用法 #noteクリエイターファイル

noteで活躍するクリエイターを紹介する #noteクリエイターファイル 。今回は、「わかばちゃんと学ぶ!」シリーズの著者、絵を描くWebデザイナー・湊川あい(みなとがわ・あい)さんにお話を聞きました。

Webサイト制作の基本から、システム運用、Googleアナリティクス、Gitの使い方まで。Webデザインの基本を初心者向けに、マンガと図解でわかりやすく伝える湊川さん。

ちょっぴり面倒臭がり屋な大学生「わかばちゃん」をはじめ、個性的なキャラクターたちが登場するマンガで楽しく、図解で感覚を掴んで、丁寧な実践パートで理解を深める。

ありそうでなかったWebデザインの入門書として、人気が高い『わかばちゃんと学ぶ』シリーズは、2019年1月現在までに3冊刊行され、企業とコラボレーションして制作した冊子やWeb連載も展開されています。

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この『わかばちゃんと学ぶ』シリーズが生まれた場所がnote。話は2014年春、noteのリリース時にまで遡ります。

同志のようなクリエイター仲間に支えられて絵を描き始める

わかばちゃんの生みの親、湊川さんがnoteを始めたのは、noteのリリースから約1ヶ月後。Web制作会社に勤め、デザインからコーディング、マーケティングまでを手がけていた頃でした。

「ネット上で自らコンテンツを発信している人たちに憧れて、noteに登録したものの、何を投稿したらいいかわからず……。最初は試行錯誤していました。そんな中、自然発生的にクリエイター同士のコラボ企画が盛り上がって、イラストを描き始めたんです」

当時、みんなで非公式でnoteのキャラクターを考えたり、「note甲子園」と題してスキ数とコメント数でスコアを出してトーナメント形式で優勝者を決めたり。クリエイター同士がつながって、自発的にお題が生まれ、小説、エッセイ、音楽、ラジオ、イラスト、それぞれが得意とするコンテンツを投稿して「コラボ」する流れが活発化してきた頃でした。

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「絵を描くことは昔から好きだったんですけど、ネット上にアップするのは怖いと思っていたんです。“下手だと言われたり、批判されたりしたらどうしよう”と不安でした。でも、noteはクリエイター同士のコラボ企画が盛り上がっていて楽しそうだったので、この流れに乗って、素直に絵を描いてみようと思えたんです。

noteでは、一人ひとりがクリエイターで、作り出す難しさや苦しさを知っているから、誰も非難しない。自由に創作できる文化があって、応援してくれる。お互いに認め合って、刺激を受け合っている仲間がいると感じました。そのおかげで投稿することが習慣になり、最初の1年でかなり絵柄が進歩しました」


書籍を出版!「湊川あい」でいたいから、フリーランスへ転身

noteで創作するクリエイターに背中を押された湊川さんは、本業の知識とスキルを掛け合わせ、Webデザインをわかりやすく解説するマンガを描き始めます。キャラクターを描き、名前をnote上で公募して、「わかばちゃん」が誕生しました。

「その頃はnote中毒と言えるほど、ほぼ毎日投稿していました。コンテンツが溜まってくうちに、いつか書籍化できたらいいなぁと思って、記事の最後に毎回その想いも書いて。そしたら、半年後に出版社の営業の方が見つけてくれたんです」

そこから1年後、noteの投稿を基に8割ほど書き下ろし、念願の著書『わかばちゃんと学ぶWebサイト制作の基本』が発売に!

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書籍の出版を機に、Web連載がスタート。次のテーマの執筆を行なっていた湊川さんは、フリーランスになることを決意します。

「土日に制作をしていたんですが、圧倒的に時間が足りなくて。本業に支障をきたすわけにもいかない。会社を辞めることには迷いも不安もありました。

でも、自分の意識も外の世界も、本名で呼ばれるよりも、ペンネームの湊川あいの比重が大きくなっていて。どっちの自分でいたいかと問われれば、湊川あいにワクワクしたし、可能性を感じたんです」

以来、湊川さんはそのペンネームで、書籍、Web、企業とのコラボで『マンガでわかるWebデザイン』を執筆し育て、自らのコンテンツを教科書に講師としても活躍しています。

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応援してくれる人がいるから描き続けられる

根がWebマーケターだという湊川さんは、noteの反応が市場につながっていたと話します。

「会社員時代、Webマーケティングを勉強しているとき、受け手の顔を想像しなさいって言われていました。当時はそんなのわかんないって思ってたんですけど、noteを投稿するとき、応援してくれる具体的な人の顔が浮かぶんです。仲がいいフォロワーさんのうち誰か一人に向けて書くんですけど、それって世界の縮図だとも思っていて。その一人の後ろに同じように共感してくれる人が何人もいるはずなので」

“あの人(フォロワー)を喜ばせたい”ーーそんな思いが湊川さんに書く力を与えました。さらに、noteのサポート機能も大きな支えになったのだとか。

「100円でも200円でも、自分が描いたものに対価を払ってくれる人がいることは、すごく嬉しくて。もともと自己肯定感が低い人間だったのですが、少しでも価値があるんだ、がんばって描こうって、自信にもつながりました。

noteによって課金コンテンツを罪悪感なく出せるようになったことは革命だと思います。読者からの課金でクリエイターが食べていけるようになることは、制作を続けていく上でもすごく健全ですし」

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現在、noteは基本無料で公開し、さらに専門的な内容についてはサポート機能で冊子を販売するなど、フリーミアム的な使い方をしていると言います。

中でも『マンガでわかるDocker』は好評で、特に告知をしていなくてもITエンジニア同士の口コミで毎月コンスタントに売れているのだとか。


自分の好きが滲み出て、気づけば諦めていた夢が叶っていた

幼い頃から絵を描くことが好きで、中学生の頃から遊び感覚でWebサイトを作っていたという湊川さん。それらは趣味であり、当時の将来の夢は、先生になることだったそう。

「ずっと好きだったイラストは美大受験のときに周りの優秀な人たちに圧倒されちゃって、彼らとは戦えない、イラストで食べていける人はひと握りだと思って心が折れちゃったんですよね。

次に、人に教えるのが好きだったので、高校の先生になろうと思い、教員免許取得の過程で教育実習に行ったんですが、今まで大学生だった自分があまり歳が変わらない生徒たちにいきなり先生と呼ばれることが申し訳なくて。社会人を経験したこともない未熟な自分が未来ある学生さんの将来の責任を背負えないって諦めました。それで、もともと好きだったWeb制作の会社に就職したんです」

先生として教えること、ずっと好きだった絵を描くこと。一度は諦めていたものが、noteを通して、気づけば別のかたちで実を結んでいました。

「絵・学び・Web制作という3要素が結びつくとは、自分でも思いもしなかったけれど、noteという自由に表現できる場を与えられたことで、自然と“好き”が滲み出たんだと思います。noteは、諦めて蓋をしていた思いや隠れた才能みたいなものが勝手に滲み出て、認めてもらうことによって、羽ばたいていける場所だと思います」

noteから羽ばたいていった湊川さんは、現在、わかばちゃんと学ぶ!シリーズ4冊目の書籍「わかばちゃんと学ぶ サーバー監視入門」を鋭意執筆中!

noteで、別の場所で、滲み出る“好き”を思う存分、発揮してくれることを楽しみに。

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■noteクリエイターファイル
湊川あい

絵を描くWebデザイナー。本『わかばちゃんと学ぶGoogleアナリティクス』『わかばちゃんと学ぶGit使い方入門』『わかばちゃんと学ぶWebサイト制作の基本』書店様・Amazon様で発売中です! https://amzn.to/2K14C70
note:@llminatoll
Twitter:@llminatoll


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