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「cakes note FES‘18」2日目レポート② #cakesnotefes

6月29日、30日の2日間にわたって開催した“cakes note FES” 。今回は、2日目午後(前半)のレポートをお届けします! 

インターネット世代のマンガ家のあり方

午後一番、登壇したのは『左ききのエレン』で第一回cakesクリエイターコンテスト特選を受賞した漫画家のかっぴーさんと、『東京トイボックス』を描くマンガ家ユニット「うめ」の企画・シナリオ・演出担当の小沢高広さん。

かっぴーさんが原作、うめさんが漫画(妹尾さんが作画、小沢さんは編集者のような役割)を担当する『アイとアイザワ』をマンガトリガーで連載中のおふたり。うめさんはかっぴーさんとだから、かっぴーさんはうめさんとだから、お互いの存在が決め手となり、編集者からの提案を受け入れ、はじまったこの企画。原作のセリフを多少変更することも含め、お互いを信頼し合う関係性の中で順調に制作が進んでいるそう。

かっぴーさんにとって「noteはお金を出してくれるファンがこれだけいるんだと実感できる場所」。ネット上であれば、広告のほうが儲かるかもしれないけれど、noteで読者が出してくれた「100円」に価値がある。

同人誌と同じように、noteはクリエイターと距離が近いから読者がお金を出しやすい。単行本だと読者が見えないけれど、noteはお金を払ってくれる人が間近にいて、読者が見える。そこに魅力があると話してくれました。

写真家ってどうやってなって、実際にどんな仕事をしているの?

続いて登壇したのは、写真家の濱田英明さん、横田裕市さん、保井崇志さん。

今は、時代に合わせてSNSに写真をアップし、そこから仕事につながることも多いと言うお三方。グローバルに展開できるので、国境を超えて人に見てもらえるのも魅力のひとつ。

noteはそれぞれ、音声やテキストによって写真に対する想いを言語化する(濱田さん)、自分のなかで当たり前だと思っているけれど人にとっては当たり前ではないような考え方や働き方を発信する(横田さん)、有料マガジンで日記やノウハウを含めた「自分」を発信する(保井さん)、場となっているそう。

noteの「みんなのフォトギャラリー(β)」で写真を使ってもらえることは嬉しく、ヘッダーに合わせて人によってトリミングが異なるのも興味深いそう。

写真家として、依頼があって撮影をして写真を納品するという仕事だけでなく、ストックフォトサービスのコミッションや写真を企業などに貸し出すライセンス使用料、講演会や写真教室の講師料など、収入を得る範囲もそれぞれ、幅広い。

濱田さんは、今は主軸を「写真を撮る」ことに置く一方、保井さんは実際に撮影があるのは月に3回ほどでnoteが主な活動場所のひとつであるとか。 横田さんも使っているカメラの魅力を語るイベント登壇なども頻繁にあるそうです。

横田さんが今回のテーマに合わせてnoteにフォトグラファーの働き方・稼ぎ方をまとめてくださっています。

誰を幸せにするデザイン?

続いては、アパレルブランドの経営者ハヤカワ五味さんと、THE GUILD デザイナーのこばかなさんが登場。

同じ多摩美術大学の卒業生だというおふたりは、デザインは「課題解決の手段」だと言い切ります。美大で学んだデッサインは、描く対象物の要素を分解し、「らしさ」を定義しているものを観察し、見極め、描き、理想(対象物)となにが異なるかを探して修正し続ける。その一連の行為は、問題解決のプロセスと似ている、と。

だからこそ、デザインには課題やビジョンが必要で、「課題発見力」が求められる。学校では課題が与えられるけれど、社会人になると課題を自分で意識して見つけなければならず、そこにセンスが現れる。

みんなの幸せのカタチが違うからこそ、「誰のため」のデザインなのかを強く意識しているというおふたり。noteを書く上でも、コミュニケーションのデザインとして、常に読者を意識して、誰が、読んだあとにどういう気持ちになるかまで考えて、発信をしていると言います。幅広い人に読んでほしいから、専門用語は使わず、“おかん”もわかるような書き方を心がけている、と。

モノも情報も多すぎて選べない時代、よりパーソナライズが価値になる。検索よりも出会い。誰が発信しているかが肝になり、どのコミュニティに所属するかを選ぶ能力も問われる。ただし、井の中の蛙にならないよう、複数のコミュニティに属すことが重要!とのこと。

ここでハヤカワ五味さんからも重大発表が! note発、ダイヤモンド社から初の著書「キュ〜トでクレバ〜なビジネス入門書」が発売されることが決定!!その内容はnoteの定期購読マガジンで更新する予定です。おたのしみに!

人をひきつける文章を書くには

続いて登壇したのは、作家・ブロガーのはあちゅうさんと、モテクリエイターのゆうこすさん。

noteで「SNS奮闘記」と題して「IGVT」に関する考察を更新したゆうこすさん。「まだ誰も使って分析している人がいなかったからブルーオーシャンだった」というこの記事は、10万PVを超える大ヒット! 

「すぐに自分で使ってみて、その経験と分析を発信する人が意外に少ないから、人がいない場所に行くのは目立つ」とはあちゅうさんは言います。

ゆうこすさんが「短く、わかりやすく、素直な自分のキャッチーな言葉」で表現するために、文章を書くうえで参考にしているのは、Tumblrと広告。意識しているのは、改行による余白、ひらがなと漢字のバランスなどのデザイン。

発信するときは、第一波〜第五派までターゲットとなるファン層を分けて、ブログは自分の経験を語るエッセイを、YouTubeはモテクリエイターとして、Instagramは女性誌のように、Twitterは告知とコミュニケーション、とSNSも使い分けていると言います。

はあちゅうさんは、人とひきつける文章を書くには「失敗も成功も、全部出して本音で書くこと。日常のなかで面白い体験をして、それを俯瞰的に分析して、自分の言葉で表現する。知識よりも、重要なのは生の体験で、そのためにはとにかく行動をする。色んなところへ行って、いろんな人と話して、いろんなものを食べている人の文章は面白い」と話します。

はあちゅうさんはサロンで個人面談を、ゆうこすさんはアイドルの面接をすることがあるけれど、その際、自分が面白い経験をしていることに気づいていない人が多いと指摘。たとえば高額セミナーに参加した話も、そこで得たものよりも、その体験を俯瞰してユーモラスに書けば、ネタになる。恥ずかしいことではなく、ポジティブに捉えれば、失敗はいくらでもリサイクルできるし、日常での体験が一番のコンテンツになる、と。

まだまだ話は尽きませんが、おふたりが日常の経験から得たものは、随時SNSで発信されている、とのことなので、noteも含めチェックをおすすめします!

レポートは、まだ続きます!