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ロードオブザリングをIMAXで。
好きで何度も観ている。
個々の存在についての概念を変えさせてくれたこの映画を。
初めはとにかくサムの力強さにひたすら惹かれていた。
しかし、我が子が小学生に成長するにつれ、新たな視点で捉えるようになった。
本当にもう、余計なことばかりしちゃう人、という認識でしかなかったピピンのことだったけれど、次第にこの物語にならなくてはならない人だということが分かってきたのだ。それは取りも直さず、我が子がこのピピンと重なる部分が多かったからなのだけど…。
彼がいなければ先に進まない物語。ゴラムがいなければ成し遂げられない目的。支え合う友情の美しさ。王者も、小さきものの力を借りる。誰も彼も、生きている理由を問わずとも、生きているだけで何かしらの意味がある。
それまでの天邪鬼なわたしには、「誰かが何かの役割を負っている」という、世の中の月並みな言葉は、心に1ミリも入ってきていなかったのだ。
なのに、子供を育てながら何度もこの映画を見て、心の底から理解した。そうだ、どんな人間も生きていていい。どんな人間も、この世の中を前に進めるための良い意味での駒の一部になっている。(幼い頃、我が子はかなり「やらかす子」で、親のわたしは、周りに謝ってばかりだったのだ。)
この映画にどれほど勇気をもらったことだろう。
こんなわたしの子にだって、それとは知らずに人の役に立っていることもあるはずだ。いや、役に立っているんだ。
こんなわたしにだって、きっと誰かの。
そう実感させてくれたのが、この映画と、成長していくわたしの子供だった。
そしてそれを、こんな綺麗な画面で再実感できる幸せを噛みしめた。何度も観たあの場面を、こんな綺麗な画面と、すごいとしか言えないこんな音響で!IMAXってすごい。
この映画で、改めて個々の人間の、存在のかけがえのなさに浸って、今日は本当に泣いてしまったのだった。
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