「読み聞かせ」で味わうものは。
本を読んでもらう、というそういった素朴な楽しみを子どもに味わってもらうという活動の読み聞かせ。
でも、ボランティアの人も少なくなり、いろんな話を読む人も出てきた。子供に食いつきが良いネットで拾った話や、子供が喜びそうな生き物を持ってきて、そのまま(本を読まずに)話をしたり。
元々、楽しい本を楽しく読むことのできないわたしは、地味な本を地味に読むタイプ。だから、きっとわたしに当たってしまう学年の子は「ハズレ」って思ってるに違いないと、ここのところどうしても足が重く…。
しかも、今月は避けていた高学年、6年生に当たってしまった。
それを友に思わずこぼしていたら、
「でも高学年って、耳からお話を入れてイメージ膨らませられる、最後のチャンスだと思うよ。」
と、彼女は言ったのだ。
いつも、たくさんの人を前に朗読をしている彼女だから、ある程度自信を持ってそう言えるのかもしれない。
私はこの言葉がなんだかすんなり心に入ってきて、気持ちを入れ直して今回は絵のない短い話を二つ選んだ。
なんとなく余韻の残る小泉八雲の話『梅津忠兵衛の話』と、今の子は知らないらしいアンデルセン童話『とうちゃんのやることにまちがいはない』。童話の方は、ちょっとだけふざけた感じのものを選んだ。
緊張しながら話に入り、語尾には一人一人の顔をしっかり見て「どうか聞いててね」と無言の圧。
でも、顔を見ると、しっかりこっちを見てくれる。どうやら話も聞いていてくれる。この子たちにどこまで届いたかはわからないのだけど、なるほど届けようと思えば全部じゃなくても届くものなのだと感じたのでした。
RKさんありがとう。こういう、経験からくる本人からするとちょっとした一言が、わたしの胸に光る言葉として残っていく。
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