検察庁法改正法案騒動の問題点

先日の検察庁法改正法案でバカみたいなタグがTwitter上で発生した。
という書き出しからわかるように、私は改正法は問題なしと考えている人間だ。8年も前から(民主党時代も)審議されている法案だし、昨年の末の改訂ももともと検察は行政府の管轄なので、それを明文化したに過ぎないと思う。あれのどこに大騒ぎをする余地があるのか、さっぱりわからない。

それはそれとして、このタグの問題は捏造やデマが数多く拡散され、それを元に反対を表明する人が多数いたことだ。
中でも、検察法改正相関図は完全な捏造だが、十万以上拡散され、有名芸能人をはじめ、たくさんの人が釣られている。

それぞれに政治的信条もあるだろうし、改正法反対だというのなら、それはいいと思う。
けれどたくさんの文化人・知識者が捏造に乗っかったのに、きちんと謝罪をしている人は少なかった。彼らは恥ずかしくないのだろうか?

とある漫画家は騒動後に「政権に不信感があるから深く考えずにやった(から自分は悪くない。政権が悪い)」というようなことを呟いた。言い訳にしても酷いものだと思う。仮に政権が悪いとしても、デマで叩くという手法が許されるとでもいうのだろうか。
あんな図、どう見たって悪意で作られているのが丸わかりではないか。

改正法案どうこうより、今回のように悪意ある扇動によって、ヒステリックな暴走が起きたことが、私には気持ちが悪くて仕方がない。

少し話は飛ぶが、フランス革命では革命派のデマによる扇動で九月虐殺という悲劇が起きた。その他にも、王や王妃を始め、無実の罪でたくさんの人が殺された。
私の意見としては王政よりも共和政の方が望ましいと思うので、フランス革命自体の価値を貶すつもりはないが、デマや捏造で扇動する手口は卑怯で許容できないと思う。

私には(規模と被害に格段の差はあれど)今回のことも捏造画像者が扇動した暴走としか思えず、悍ましいものに映った。
無論、今回は世論を大きく左右するようなムーブメントではないが、シャルロット・コルデーのように暴発する誰かが出ないとも限らない。

批判するのも、反対するのもいい。
けれど、それは正しい情報・知識をもって行われるべきだ。
前に自称看護師へのコメントでも書いたけれど「○○が気に入らないから捏造しても構わない」「ちょっとぐらい大げさに言っても構わない」そんな考えは自分の考えを真正面から主張する勇気のない卑怯者のすることだと私は思う。
むしろ批判する時ほど、事実に基づいてしなければ意味がないのだ。

特にTwitterはデマも捏造もしやすい場所だ。ハッシュタグをつけるほど、自分の意見を主張する気があるのなら、捏造を拡散しないよう、充分に気をつけて欲しいと心から願う。

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