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当たり前が幸せ

緊急事態宣言の発令により、当たり前が変わった。

そして今まで当たり前だったことの価値に気がついた。

2020年3月下旬

「また、今度ね!」

と僕は言って友達と墨田区の押上駅で別れた。

彼は高校以来の友人で、今もとても仲がいい。

その日もまた直ぐに会えると思って押上駅から帰っていった。


しかし、彼に会うことはできなくなった。

緊急事態宣言の発令により、当たり前がいつの間にか当たり前じゃなくなった。

彼とご飯を食べに行ったことも、一緒に屋久島に旅行に行ったことも、バカな話をして笑い合っていたことも。

自粛しなくてはならない禁止行為になっていた。


緊急事態宣言があけた6月、僕は彼に3ヵ月ぶりにあった。

いま会いたい人に会うことのできる喜び。

新型コロナが教えてくれた当たり前の価値。

ちょっとだけ毎日の生活で幸せを感じることが多くなっていた。



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