第五話 続き
「それにしても、すごいね。三人とも、本当にありがとう!」
いちごはそう言いました。
「パフェ、そういえば・・・なんで私の誕生日知ってたの?」
「それはね、この前、いちごが家でお菓子作りたいからって、エプロン取りに来た時、ランドセルの内側に誕生日が書いてあったから、それで覚えてたんだ。」
「へ~!そうだったんだ!誕生日会してくれて、本当に嬉しい!」
「みんな~?今日のお菓子は!桜餅と三色団子だよ!!」
桃音が、笑顔で言いました。
「うん。三人で、作ってたのよ。」
「みんなで食べましょう!」
そして、幸せな、お花見会が始まりました。
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「ん~!三色団子も、桜餅も、どっちも美味しいね!」
「いちごちゃんはさ、どうしてスイートツリーハウスに来たの?」
桃音がいちごに聞きました。
「おばあちゃんが家に来るときに出すプリンが作りたかったの。
のどかさんはどうしてなの?」
「それはね・・・小学生の頃に、友達にお菓子をあげたの。そしたらね、
『おいしくない』とか、『お菓子なんか興味ない』って言われたの。悔しくて・・・もっとおいしいお菓子が作れるようになりたくて、ここに来たのよ。」
のどかは、少し、悲しそうに言いました。
「桃音さんはどうして?」
「・・・お菓子が好きだったから・・・美味しいお菓子を作って見たくて・・・」
桃音は、少し恥ずかしそうに、小さな声で言いました。
「なになに?昔話?」
お花見会は終わり、みんなは別れました。
「バイバイ!また明日!」
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その日の夜、いちごの家で、誕生日会が行われました。
「いちご、11歳の誕生日おめでとう!」
「ふぅーっ!」
「二回も祝われて、今日は幸せ!」
「ああっ!もしかして、またパフェお姉ちゃんのところ行ってきたのぉ~⁉」
「いちご、最近お友達が増えたみたいでよかったわね。」
「うん!幸せだよお母さん!」
「お姉ちゃんずるいー!またアイス食べたいよー!」
れもんはすっかりあのアイスが気に入ったみたいです。
「また連れて行ってあげるからね。」
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誕生日会は終わり、いちごは自分の部屋へと入りました。
「うわっ!星がきれい!」
窓の外には、満天の星空が広がっていました。いちごは部屋の電気を消して、その星を眺めました。
「・・・あっ、あれは春の大三角だ!アルクトゥルス、デネボラ、
・・・そして、スピカ!こんなにいっぱい星があったなんて・・・
何だか・・・いいことが起きそうな気がする!」
〈終わり〉六話へ続く!
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