見出し画像

第六話  続き

パフェは何かをひらめいたのか、キッチンへ向かって行きました。そして、乾燥した、青い花の入った瓶をたなからとり出しました。

「何、それ・・・」

いちごは言いました。

「これはね。『ブルーマロー』っていうお花なの。これでお茶を作ることが出来るんだよ。これのすごいところがね!!これ、お茶を入れた時、最初は紫なんだけど、重曹を入れると青、レモンを入れるとピンクに変わるの。」

「へえっ!!すごい!」

「あのレモンアイスとは違うの・・・!?」

れもんは、少しがっかりしました。ですが、パフェの作るものは美味しい、そう分かっています。なので、れもんの心はワクワクしていました。

「これは、そんなに味がないから、ガムシロップと炭酸を入れたら、サイダーに大変身!!」

パフェは、実はみんなが来る前、バニラアイスを作っていました。

なので、出来たサイダーに作っておいたバニラアイスを乗せました。

「今は紫色だね。」

れもんは言いました。重曹を入れると、キレイな青色に変わりました。

「す、すごい!!」

いちごは目を丸くして言いました。

「ここからピンクにできるかな・・・・?」

パフェは、レモン汁を入れました。

「!!」

みんなはとてもびっくりしました。

レモン汁を入れたとたん、そこから、鮮やかなピンク色に変わったのです。

ブルーマローソーダ

「できた!!」

「れもんちゃん、飲んでいいよ。」

パフェは、優しく言いました。

「本当!?ありがとう!!」

ゴクン、

「!!お、おいしい!!」

「本当?ちょっと私にも飲ませて。」

そうやって、みんなで一緒に飲んでいるうちに、あっという間になくなってしまいました。

「あっ・・・そういえば、宿題がまだだった・・・」

パフェは、途端に重い、苦しい気持ちになりました。

「んっ?ちょっとまって、課題って、『化学反応を使ったお菓子・飲み物』だったよね?」

桃音が言いました。

「はい、そうですけど・・・どうかしましたか?」

「色が変わるのって、『化学反応』だからじゃないの?そのことについて調べれば、提出できるんじゃない⁉」

「・・・!桃音さん、確かに!!これで宿題として提出出来るじゃん!!ありがとう!!」

それからしばらく、みんなで宿題をしていました。ですが、最初とはうって変わって、とても楽しく、明るく、宿題は進んでいました。

これは、きっと、『ブルーマローソーダ』のおかげですね。

しばらくして、いちごとれもんは、帰る時間になりました。

「じゃあね!!」

「バイバイ!!!」

**********

さっきまで水色だった空が、まるでブルーマローソーダのように、ピンク色に染まり出していました。

「れもん、あのジュース、美味しかったね!!」

「うん!!やっぱり、パフェお姉ちゃんってすごいよ!!」

二人は、手をつなぎました。

「あれのおかげで、本当に宿題もはかどったの!!」

「お母さんとお父さんにも飲ませてあげたいな!!きっと、びっくりして、『おいしい!!』っていうから!!」

二人の会話は、いつまでも続いていました。


その日は、いつもよりも遠回りして、家に帰って行きました。

遠回りの道

〈終わり〉 七話へ続く!!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?