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弓購入決定

3週間余り前に弦楽器展示会に行って、気に入った弓を2時間も試奏し、迷って迷って迷いあげた挙げ句、やはり今日は買わない、冷静になって考え直そうと決めたあの弓。

詳しくはこちらの記事をご参照ください。

「それでもどうしても忘れられなかったら、先生に相談しよう」と決めた、あの苦渋の決断。

そして、やはり何日経っても、
「またあの弓を弾いてみたい」
と、どうしても忘れることができず、
結局、2週間後にあったレッスンの前に、先生に相談し、同意を得てその場で楽器店に電話して再度の試奏をお願いし、「どうかまだ売れないでいてくれ」と祈って終わったこちらの記事。


それから時間も経過しまして、

「ところで、その弓は一体どうなったんだ」

と思っていただいている方もいらっしゃるのでしょうか。

そうでない方も、そんなことがあったという前提で読んでくださいね。

以下続きです。

楽器店に連絡した翌日、ご担当のIさんからお電話をいただきました。

「まだありました!
札幌から松本に移動するタイミングだったのですが、すぐに店に戻します。
もう1本、同じ型番の弓もあったので、2本ご用意できます!」

おおーっ!!

だって先生から

「そんなにいい弓なら、売れちゃったかも。
試奏してから何日ですか?
えっ、2週間?
…だと厳しいかな。
みんないい弓を探してるから、いいモノはあっという間に売れちゃうんですよ」

と言われていただけに、喜びもひとしおです。

やっぱりあの弓とはご縁があった!

なんかこれって…、

とある苦学生が本当は結婚したい彼女がいるのに、彼女の将来のために自ら別れを切り出して、彼女は泣く泣く彼と別れる。

彼女の父親の勧めるエリート会社員との結婚の話がとんとん拍子に進む。

そんな噂を耳にして、悩み抜く苦学生。

「やっぱりオレには、お前しかいないんだ!」
と、
彼女の結婚式が始まる会場に駆けつけて、新郎から彼女を奪って外に連れ出す彼。

騒然とする会場を尻目に、熱い抱擁を交わす二人。

カメラは2人を中心に捉えて俯瞰でズームアウトしていく。
周りには祝福する友人たちの輪ができ始める。

「一生離さないぞ」
「……(涙)」

そこで流れる♪美しいエンディングテーマ曲♪


…すみません。
いい歳して、つい想像が膨らんで悪乗りし過ぎました😅


話を戻します(・∀・)。

お借りした2本の弓、家でミュートして弾いたり、レッスン室を個人練習用に借りて弾き比べたり。

ちなみにこのとき、自分は話題のオーストラリア製のベスポークの松脂を試したことがなく、「クリスプ」という方のサンプルならお世話になっている工房にあるというので、その日は全部その松脂で試してみようと、新しい弓の楽器店でIさんにお願いして2本とも同じ松脂を塗ってもらい、私のいつもの工房では、元の自分の弓にそれを塗り(他店の弓に塗るのは失礼かと)、3本同じ松脂で比べました。

松脂の評価は一旦置いておいて、家でもレッスン室でも、自分の手にしっくりくるのは、展示会で試奏した弓です。

よくみると、フロックの角の形状が展示会で試奏した方が丸みがあるのです。

片や丸みが少なく、長時間弾いてると親指に食い込んでくる感じ。

展示会で弾いた丸みのある方が長い時間弾いても全く苦にならない。

それに弓を持っているという感じがあまりしないのです。

先生に見てもらって、自分の意見に賛成してくれるといいな、と思いながら迎えた今日は、レッスン日でもないのに先生に弓を見てもらう日。

仕事を早めに切り上げて、楽器と弓3本を持って先生の待つレッスン室へ。

ん??
先生の左手全体にサポーターが。

訊くと、
「アクシデントがあって打撲してしまって、今日は弾けなくて。
レッスンだったんだけど、自分の楽器も持って来なかったんですよ」
とのこと。

明日は弾かなければいけないそうなので、今日はお大事にです。

で、まずは私が弾くのを先生が聴き、なるほどと言いながら、先生も痛々しい左手ながら、「4の指さえ使わなければ大丈夫」
とバッハの無伴奏の3番弾いたり、ハイポジ弾いたり、スピッカートしたり。

「うん。両方ともよく跳ねますね」

先生、跳ねると言いますと?

「あ、スピッカートしやすいってこと」

なるほど。

で、私に弾かせたり、先生が弾いたりした結果、
先生曰く、

「2本ともいい弓ですね。個性が違うけど。
tyashiさんが気に入った弓じゃない方は、低音をよく鳴らせる。倍音もいい。

tyashiさんが気に入ったのは全体のバランスが良くて、倍音もいい。

それにこれまで使っていた弓に近い硬さだから、違和感なく弾けるんでしょうね。

うん、いいと思いますよ。
ただ、値段は?」

「今まで、30万から150万まで、沢山の弓を幾つかの店で弾かせてもらいましたが、この楽器に合うと思った弓はひと握りで、しかもここまで気に入ったものは初めてです。

強いて言えば、60万で売りに出ていたこの工房の一代上のマイスター(私が今使っているお父さんの刻印の)の中古の三つ星か、イギリス製の古い無名の弓くらいで、正直、お店がこの値段まで頑張ってくれているので、コストを比べても、これ以上はないと思います」

「じゃあいいですね。

あとはこのクラスの弓を弾いていくと、楽器も買い替えたくなってきますよ?

弓は反応してくれるのに肝心の楽器の方が反応してくれない、とかなってくるから」

「私は、先生が自分の楽器を弾いたときのあのいい音が出れば満足です。

それまではとにかく頑張って上達したいし、弓や松脂やエンドピン等で弾きやすくなったことで、練習の効率も上がるだろうし。

お金があるわけでもないので、今の楽器で充分です。

それに、仮にそこまで上達したら、その時に考えますよ。」

そうですね。
じゃあOK🙆‍♀️。

よっしゃっ!やったー。
先生、今日はありがとうございましたー♪

家に帰って、早速Iさんの店のアドレスにメールを送りました。

弓を返しにいく明日も出張でお店にはいないと仰っていたので、メールを読むのは何日か後だと思うのですが、Iさんは、すごく丁寧で好感のもてるイケメンさんで、お店から弓を借り出すときに、
私が、
「産休中の副店長のMさんに連絡を取ることありますか、お礼をお伝え頂きたくて」

とIさんに話したところ、
Iさんが

「・・・実は副店長のMは、私の妻でして…」

えーーっ!
ホントですか!!
いやー、嬉しいなあ。
おめでとうございます!
元気なお子さんが産まれてくることを願ってますよ!
それにしても美男美女のカップルですねー。
奥様によろしくお伝えくださいね!

と言って2本の弓を借りた経緯があったのでした。

これでまた買わなかったら、更に申し訳ない感じだったので、それを含めてよかったです。

また明日からが楽しみです。

…なんて、喜んでばかりいられないんだった。
金策しなきゃ😅

ちなみにローンは半年据え置き一括払いか、36回分割なら、金利ゼロ(=お店負担)なのだそうです。
かたじけない。。

大事にしている稀少CDが、ネットオークションで2万円超で落札されたのを見たのはつい最近。
中古CD店のいつぞやの高価買取りリストに入っていたものの、ネットオークションの落札価格は買取り見積もり額の4倍なので、これからしばらく出品者として忙しくなりそうです。

チケットも我慢しないとなあ。

と言ってるそばから、明朝どうしても行きたいリサイタルのプリセール。

娘も一緒に行ってもいいよと言ってるし。
来年7月の公演なんですけどね。

嬉しい悩みが多いこの頃です。

またまた長文のお付き合い、ありがとうございました。

最後に、こちら借りた2本の写真です。

買うのを決めたのは上の方。
フロックは両方とも水牛さんの角だそうで。
水牛さん、角は切られても痛くないよね??

下の子は明日サヨナラです。ありがとうね。


ではまた。

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