友情結婚を通して欲するもの

先日、NHKの「ねほりんぱほりん」という番組で 友情結婚をテーマにした放送がありました。
https://www.nhk.jp/p/nehorin/ts/N1G2WK6QW5/episode/te/8N16JL4MRJ/

番組に出演された方(男性)が、パートナーの女性に対して容姿や料理へのこだわりを見せたことがネット上で反感を買い、SNSでは目を背けたくなるような言葉が飛び交っているのを見て、悲しい気持ちになりました。

「友情結婚」と一口に言っても、もとより友人関係にあった男女が その延長線上で結婚するのと、何かの利益を求めた男女が 性的関係を持たないことを約束して結婚するのとでは、月と太陽ほど違うものです。

「友情結婚」という言葉の定義が曖昧なあまり、同じ言葉を用いてはいても 異性愛者視点と同性愛者視点では違った認識と混乱が生じるのかもしれません。

異性に性的関心のない私からすれば、「友達として好きだから結婚することを仮に"友情結婚"と呼んだとして、その夫婦もいずれは肉体関係を持つのでは?」「それはつまり、普通の結婚では?」と思ってしまうのです。

………

さて、話を戻します。
「子どもがほしい」「世間体のため」「出世に響く」その他、社会的な利益のために 肉体関係を持たずに結婚することを選んだ私たちは、恋愛を経て結婚した者の目からすれば 恐ろしく合理的で利己的です。ふたりを繋ぐものは、夫婦関係の開始時点では、まず明らかに"情"ではありません。利益です。

明らかな打算の関係に終わるのか、本物の家族愛を築けるのかは そこからの夫婦ふたりの努力次第だと思います。

先述の番組に出演されていた男性は、パートナーの女性に容姿の良さを求めていましたが、容姿の良さは一種の利益ですから この男性がその対価として彼女に提供できるもの(高い生活水準等)をお持ちなら、それはそれで天秤の釣り合いが取れているのではないかと思います。

パートナーの料理が手抜きで幻滅したというのは、それはこの夫婦がそうした関係しか構築できていないという意味では仕方のないことです。
ない情は育むしかないので、丹精込めた愛の手料理を望むなら、自分が相手にそれ相応の愛情を注いでいるか 己の行いを省みるべきでは…と思ったり。

夫婦はきっと鏡のようなものです。


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