デルタ・マインド04嬾撫する灰懐C

聞き分けが良い弟と違って纏わり付いて来るこの子供は一体?

引き離しても、罵っても、意味を理解出来ないのか、決して諦めない執念深さへと半ば呆れ返る。

あの人の息子らしいとわかったのに面影を少しも観て取れない。何方かと云うと……真逆ね?


母さんが家へと上げるために毎日、諦めず、部屋まで押し掛けられる。

周囲からくっ付けようと企む無言の圧力を感じる。“四面楚歌”とはこのような状況を指し示すのかと蹴り出した後に溜め息が漏れ出る。

弟と扱いの違い。良い子を演じられないとやはりダメらしい。

最早、名付けによる呪いと思われる。


忽滑谷忽那(ぬかりや・くつな)

半ば適当にカットしたような灰髪のショート。無地つなぎ。面倒なメイクなんて施さず、ラフな服装にて済ませる何かと残念な美女。

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