姫矢御前09姫娜水萌

薄れて行く胡桃の後ろ姿。伸ばす手が届く事なんて決して有り得ない。瞼が上がるままに視界が水萌の寝顔を捉えた。何だか夢を観てたはずなのに内容が曖昧。珍しく先に目覚めたところで身動きが取れない状態としては何ら変わらない。膨らんだ分身が起こすまでそれほど掛からない。水萌の部屋にて休むために朝と夜の状況としては余り変わらないのかも…。


「痛覚麻痺と快楽倍増を使ったから痛みを感じないわよ」

裸体を晒した魔術士が跨がるままに腰を降ろして来る。師匠の手にて位置を定められた代物が潜り込んで行く。阻む何かを突き破ったと感じられた直後に手放されて根本まで包み込まれる。フェイス・ラインにて切り揃えられた青い髪が僅かに揺れた程度で痛みを感じていない事に安心する。

「呪文を唱え終えるまで達してはダメよ」

熱い吐息を漏らす魔術士が聞こえてるのかわからない。仰向けにて纏わり付く感触を受けながらじっとしてる。準備を行う師匠によって前もって抜かれてるために余裕を有する。書庫へと入った時に本によって埋まってた少女を見付けた。才能を見いだした師匠の手解きにて魔術士と為り、本日の儀式を迎えられた。男女の間でしか行えないと師匠が嘆く。得られる経験値を共有化させて効率性を高める。一部、記憶が交じる事へと慣れなければ辛いのかも…。剣を振るう事が基本的スタイルである剣術士と打撃を食らわせる体術士が前衛を務める。大地の魔那(マナ)を魔力へと変えて用いる魔術士と精霊から加護を受けて癒しを施す法術士が後衛と為る。基本的なクラスが4つでも、外に複合と特殊なクラスもあり、すべて合わせて25種類。使う武器を変えて済む以外は特別な条件を要するために網羅する事が出来ない。本来ならば特性に合った才能を伸ばすところをこの儀式にてチート的にパラメーターを押し上げる。レヴェルの開きが離れ過ぎてると動きを真似出来るだけで威力までは伴わない。

「パルスを繋げられたわ。後は好きに楽しみなさい」

剣術士から投擲士へとクラスが移る。魔術士の方は曲芸士へと分類上だけとしても変わる。武器を投げられる投擲士は大量に武器をストックしないと弾切れを起こす。魔力にてナイフを操る曲芸士も1つしか操れなければ余り使えない。魔剣士である師匠のスキルを応用して刀身へと流した魔力だけを飛ばす。一手間余計に掛かる代わりに大量に保有する必要性がなくなる。操る本数を増やせなくて威力を高める考えへとシフトした模様。気持ちや考えが伝わる。直接、繋がってるために五感が合わさってる。離れたら念話と云うテレパシーのような通話手段しか使えなくなる。意識が朦朧とすると精神まで融け合ってしまう。


目覚めると水萌が覆い被さってる。水色のインナーが残された半裸。眼鏡越しに見詰められて顔が近い。異様に汗を掻いてるために心配を掛けたらしい。力が抜けて動けなくなる外に症状が現れては続けられないと離れられてしまう。待ってるように言い残して部屋を後にした水萌が穂斑を連れて戻る。「手を貸して」なんて水萌が言ってるために左右から持ち上げられると思ったのに穂斑によって何故かお姫様抱っこされてしまう。階段を降るために背負った方が良いと思うのに軽々と運ばれる。脱ぎ散らされた寝間着を水萌が洗濯機へと入れるために続く動きが遅れる。抱き着かれるように洗われてシャワーにて流される。背後から回された穂斑の手にて念入りに洗われた代物が水萌によって含まれる。

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