天穹06黄輝

しゃがんでる黄輝の口髭が跳ねた。

家の裏手にて家庭菜園規模の畑を耕す姿が泥遊びにしか見えない状態。

立ち上がり、視線を移動させる。方角的に朱火の家からダンジョンへと向かう道筋。

何時もの癇癪が始まったと思いつつ作業を中断させて用具を納屋へと放り込む。土間を転がらず、棚やフックへと納まる事が凄い。

装備を軽く確認して走り出す。

ダンジョンへと向かう道すがら観られない人物の姿を捉えても、無視した。その判断が騒動へと繋がるのに記憶にさえ残らない。

普段通り、ダンジョンへと潜る直前にて朱火と落ち会える。微妙な表情にて出迎えられて変わらない日々を送る事を疑わない道具屋の猫娘。

備わってる素速さや行動力、畑仕事を含めて道具屋と思えない。身軽な探索者(シーカー)が相応しい。

頼まれたお手伝いを手早く行ってる以外は朱火と一緒にダンジョンへと潜ってる事が多い。見た目へと反してお姉さん振るように護ってるつもり。

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