2021年12月の記事一覧
〘お題de神話〙胡蝶之夢
えも言われぬ香りが鼻先を掠め、男は足を止めた。
「こんな所に店なんてあったのか」
誘われるように足を踏み入れる。
「いらせられませ」
艶のある女の声。あまりの美しさにしばし言葉を忘れる。
「何かお探しですか?」
「いや、いい香りがしたので……」
「ああ」
女は傍の棚を向いた。
「それなら、きっとこれでしょう」
近づくと、確かに香りが強まる。
「これは香爐……
えも言われぬ香りが鼻先を掠め、男は足を止めた。
「こんな所に店なんてあったのか」
誘われるように足を踏み入れる。
「いらせられませ」
艶のある女の声。あまりの美しさにしばし言葉を忘れる。
「何かお探しですか?」
「いや、いい香りがしたので……」
「ああ」
女は傍の棚を向いた。
「それなら、きっとこれでしょう」
近づくと、確かに香りが強まる。
「これは香爐……