見出し画像

麻雀初心者講⑩ 〜この西切りが見えると強くなる〜

 さあ、お待ちかね。喰い断だ。

 と、その前に断么について説明する必要がある。

 断么は19字牌を使わずに手牌を完成させたときにつく役だ。門前でも副露でも同じ1翻だ。達成条件は比較的容易で便利な役である一方、扱いは非常に難しい。また、上級者の中でも断么については様々な主張がある。私の主張は以下の通りだ。

 断么が見えるなら、狙え。

 ざっくりとしているが、こんな感じだ。

 例えばドラをツモったら、何となくドラを残すだろう。そんな感じで狙うべき役だ。

 続いて喰い断について説明する。

 喰い断とは、副露手で断么のみの役で和了することだ。

 断么の性質上、字牌端牌を手から次々に切り出すため、手牌の防御力が低くなる。さらに、鳴くので手牌も短くなる。しかも、リスクを背負う割に断么のみ1000点の得点しか貰えない。そのため、初心者からは割と敬遠されがちな打ち方であり、講師も喰い断はあまり推奨しないだろう。

 私の主張はこうだ。喰い断が見えるなら全部鳴け。

 理由はシンプルで、速度が跳ね上がるからだ。自手に速度が無く門前が間に合わない時は、789面子や123面子、111などの刻子をぶっ壊してでも喰い断を見る。それくらい喰い断は狙うべき役だ。鳴きの速度上昇はそれくらい価値があるのだ。

 上記の私の主張が分からない読者諸君は、理解できるようになるまで鳴け。

 なお、麻雀のルールによっては喰い断禁止の場合もあるので、それは注意して欲しい。

 やはりSuphx様の牌譜を無断で用いる。

画像1

 東1局。悪くない手配だ。そこそこ整っている。こういう手牌は、孤立した字牌や端牌を切れば大体断么になる。

画像2

 2sツモで打發。当然の一手だ。ますます断么に見える。

画像3

 今回は、他家はあまり見なくて良い。孤立した3mや7sを切って手牌がまとまってきた。特に6pツモは嬉しい。これが6でなく9pだと断么が付かなくなってしまうからだ。

 さぁ、いま2sをツモッたところだ。ここで何を切ろう。考えてみよう。



↓答え



画像4

 打西だ。ここでSuphxは喰い断を見る。そして字牌を切って断么を付けにいくということは、立直以外での和了を強く見ているということだ。西の対子を残したまま和了するには立直を打つ必要があるが、断么を付けておくと鳴いて和了できるようになる。速度が格段に上がる。

 Suphxは、立直による打点上昇よりも、速度を優先したということだ。

 さらに

画像5

 次巡で西を切りきってブクブクにする。この巡目で安い手で安牌を捨てる。それくらい、Suphxは1000点のみの喰い断を高く評価していると言える。

 と、ここで上家から8mが出た。もちろん。。

画像6

 ポン。鉄ポンだ。ウルトラアルティメットポンだ。リアル麻雀だと「ウルトラアルティメットポン。」と発声しないとチョンボ扱いにされるので気をつけて欲しい。それくらい鉄ポンだ。

 Suphxはここから喰い断発進だ。

画像7

 7pツモで間3sの聴牌に辿り着いた。2pの場況が悪いかつ2sが一枚切られていることを考慮して4s切って2p2sのシャンポン待ちにしなかったのだろう。私はシャンポン待ちにしそう。

画像8

 その後、あっさりツモって300-500の断么のみの和了。素晴らしい。

 この和了も、西西の対子落としからの喰い断が見えてなければきっと無かったはずだ。喰い断が見えなかった人は、こういう1000点をたくさん見落としているのではないか?

 ところで、上家がドラをポンしていることに気付いていただろうか?

 上家は満貫が見える仕掛けをしていたのだ。つまりこの1100点の和了は、他家の高打点の勝負手を防いだという点で、1100点以上の価値があると思わないか?

画像9

 もう一度、本局の配牌に戻る。麻雀は配牌を見てどのような構想を思い描けるかが、とても大切である。

 私の場合、上記の手牌で平たい得点状況なら巡目関係なく4p,6pは鉄チーだ。8mポンは好みだが、私はする。

画像10

 この手牌なら、2s,2p,8mはポン、4p,7pはカンチャンでチー、3sチー、6p両面チーだ。全てスルーは許されない。

 また、喰い断(鳴き手全般)において、対子はポン材として重要だ。上牌姿から中途半端に打2sなどはやめた方がいい。(打4sはありだと思う)

 喰い断はシンプルだがとても奥が深い。それ故、普段から意識していないと身につかない技術でもある。

 一方、このような1000点を逃さない打ち方をマスターすれば、雀力は格段に上昇する。

 引き続き、喰い断講座をしていきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?