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【投資初心者向けが分からない方へ】NISA口座とは?注意編


1.証券口座のおさらい

まずは証券口座とは何かおさらいしましょう。
以下の図をご覧ください。

図に割り振られたA・B・C・Dを見て下さい。
A:今は無視しましょう(税制適格ストックオプションや非上場株式という言葉が出てくる方は、初級以上のサイトを探しましょう)。
B:とりあえず証券口座を持つなら開いておきましょう(譲渡益は課税になりますが、株でも投信でもほぼ何でも買えます。実は投信積み立ても出来ます)。
C:株や投資信託を売却した時、譲渡益を非課税に出来る場所です。
D:毎月投資信託を積み立てられる場所です。譲渡益は非課税です。

ここまではよろしいでしょうか?

2.上場株式の配当金を非課税にするためには?

NISA口座では譲渡益の他に株の配当金(株主、つまり株を買ったあなたに、その会社が利益の一部を現金で還元したもの)も非課税になります。
例えば特定口座で持っている株の配当金は予め20.315%の税金が源泉徴収されますが、NISA口座で持っている場合は非課税です。
配当金の受け取り方法が株式数比例配分方式なら、です。ここが重要!
心が折れそうな単語ですね。舌は嚙みそうです。
実は株の配当金には受け取り方法がいくつかあります。そのうちの一つが株式数比例配分方式といい、配当を証券口座で受け取る方法です。
まず、NISA口座で保有している株の分配金を非課税にするには「株式数比例配分方式」を選ぶことを忘れないでください。
投資信託だけの方は何もしなくても分配金は非課税になるので心配しなくていいです。分配金も奥が深いのですが一旦これだけにします。
ただ、配当金の受取方法は複数の証券会社を利用している場合、一社で変更すると他社も全て変更されます(つまり、全社で同じ受取方法しか選択できない)ので、注意して下さいね。

3.NISA口座の注意点

NISAの良いところは利益に対して税金が取られないところです。
これは税金が取られない……と書くととても素敵に見えますが、実は税金の対象にならない、とも言えるんです。
つまり、利益だけでなく損失に対しても何の考慮もされません。コインの裏表ですね。
課税口座でも譲渡損が出た場合は税金は取られません。それなのに何故、NISA口座では注意点になるのでしょうか?次で見ていきましょう。

4.損益通算について学ぼう

はい、また嫌な言葉が出てきました。避けては通れない言葉、損益通算です。
頭をNISAから課税口座に戻して下さい。特定口座源泉徴収あり、を前提としてお話します。
Aという株を200万円で買い、320万円で売却したら、120万円の利益(譲渡益)が出ました!本当は20.315%ですが、計算簡略化のために20%で計算すると、24万円の税金が持っていかれます。
一方で、Bという株を100万円で買い、50万円で売却したら、50万円の損失が出てしまいました。同年、この二つの取引しかしていないと仮定しましょう。
損益を見てください。Aでは120万円儲け、Bでは50万円損をしています。
税金はあくまで儲けに対してかかるので、対象になるのは120万円-50万円=70万円。つまり損失を税金対象から外してくれるんです。
これで税金の対象は70万円になります。利益70万円の税金は14万円ですから、持っていかれる税金は24万円ではなく14万円になる、これが損益通算です。

5.NISAは損益通算が利用できない

上記の例で、Bを課税口座(特定口座源泉徴収あり)ではなく、NISA口座で持っていたとします。
そうすると、税金は14万円ではなく、24万円になります。
NISA口座は利益に対して税金がかからない代わり、損失ともみなしてくれません。プラスもマイナスも等しく無視、それがNISA口座の注意点です。
ここを見落としてしまってる方が多いんです。
投資に美味しいだけの制度も話もありません。勉強して始めて見えてくるもの、自分にとって何を利用すべきかが分かってきます。今回のお話(株式数比例配分方式や損益通算)はもっとも難易度の低い落とし穴です。

まとめ:NISAの注意点を見落とさないで!

NISA口座にはメリットと注意点があります。

・メリット①利益に対して税金がかからない
・メリット②売却分を翌年から買付に再利用できる


・注意点①課税口座との損益通算の対象にならない
・注意点②配当金の受取方法は株式数比例配分方式を利用する


NISA口座を利用して投資を始める際はこれらを良く理解して下さい。




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