見出し画像

2024/06/04 愛犬のこと

愛犬のお気に入りのぬいぐるみはいつもぶん投げられている。ぬいぐるみの名前はおさるのモンキチ。愛犬は先月14歳になった。娘が幼稚園の年少さんの時に愛犬を迎えた。家を建てて2年目、近所の人は私と娘によく話しかけてくれた。お散歩いいわねーとか幼稚園が終わったの?など。しかしそこからの子供は何人?一人っ子?なんでもう一人産まないの?かわいそう…などと突然言ってくる。当時はすごく悩んでいたし精神的に苦痛だった。夜になると泣けてくる。そんな時が私にはあった。

今だったら、やんわり話して終わるし、気にしない。当時の私が目の前にいたら、「大丈夫だよ!みんなただ言ってるだけ。何も深い意味なんてないんだよ」と教えてあげたい。新しい家が建って、何人家族かな?と思った人が話しかけてきて、そうしているうちに昔自分も言われたであろうその時代の人にとっては“あたり前”な余計な一言をただ投げかけていただけだったと思う。私は神経質で、不安症だ。子供をもう一人産んで育てる自信がどうしても持てなくて産めなかった。あとから3人の子供がいるお母さんに話したら、そのお母さんから「杉林さんの娘さんって子供3人分のパワーがあると思うんだよね。もう一人子供がいてもいいかなって思うときは、上の子がだいたい大人しいとか自分に余裕があるとかそんな気持ちがどこかにあると思うのだけど、そんな気持ちにならないなら現状維持が一番だよ」とアドバイスをもらって、悩みが腹落ちしたというか、納得して過ごしてくることが出来た。

当時(そのお母さんからアドバイスをもらう前)夫が帰宅すると私が泣いていたりするものだから、「え?また言われたの?どこの人?気にしなくていいよ…」と言いながら、夫も苦しそうだった。産みたい気持ちと不安でぐちゃぐちゃな感情。犬とか飼ったら忘れられるかな?…となんとなく言った私の言葉で、夫が一人でペットショップに行くようになった。あるとき「みほちゃん、かわいい犬がいたよ。売れ残ってるみたいなんだけど、かわいい女の子!」と言われて見に行った。どこか冷めた感じで、「フン、どーせ見るだけ見て帰るんでしょう?」という雰囲気のわんこが今の愛犬。私と愛犬の出会いだった。

愛犬は、私に新しい出会いを運んできてくれた。近所の愛犬家の人たち。お散歩をしていると、自然と会話につながる。そしてその会話は全て犬繋がりの会話だった。天気が良くてお散歩日和だねーとか、わんちゃんは何歳?とかわんちゃんの名前はなーに?など。私には子供がいないから、愛犬が子供なのと話してくれる人もいた。私には犬がいるから友達っていう友達っていないのよね…と教えてくれる人もいた。何時にどこの家の犬がお散歩で通るか見ていて、飼い主さんと話すのが楽しみなの…と私が犬の散歩で通るのを待っていて、手を振ってくれる人もいた。みんなどこか私に似てる。人と話すのは好きなんだけど、誰でも良いわけじゃないというか…。愛犬は私にたくさんの出会いと元気をくれた。もう、あれから14年。これからも“うちの子”をたくさん愛したいと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?